カクレマショウ

やっぴBLOG

「私は今日まで生きてみました」って、大人だから言えること。

2006-05-26 | └キャリア教育
特定非営利活動法人キャリナビが運営するサイト「CARINAVI」には、学生ボランティアによる様々な職業人たちのインタビューが載っています。現時点で紹介されているのは373人。「オオモノ」からフツーの人まで、年若いベンチャー起業家から年期の入った「匠」まで、いずれにしても今の日本社会をいろいろな面から支えている人たちにちがいありません。そこには、373通りの生き方があります。

基本的なコンセプトは、「今の大人の人たちが“本当のところ”どういう経緯や気持ちの変化があって、その仕事についたのか」を聞く、ということ。「手あか」のついたプロではなく、学生によるインタビューだからこそ、聞かれる方も割と自然な形で「ホンネ」を語ってくれているようです。過去に何度も失敗や苦しさを乗り越えてきたこと、あるいは乗り越えられなかったこと。そして、「成功」した今も悩みや不安を抱えながら生きていること。そういう話から、その人が決して「特別な存在」ではなく、「自分自身の人生の延長上に存在する」ことが見えてくるのではないかと思います。

インタビューの最後には、必ず「若い人へのメッセージ」が添えられています。自分のこれまでのキャリアを語ったあとだけに、とても真実味が感じられます。経験に根ざしたメッセージは心に響くものです。

しかしなー。

いい加減先が見えてくる「大人」になってからこういうインタビューを読むと、なんだかムナしくなったりもします。みんなスゴイんだなーとは思いますが、自分にはこんな生き方はだぶんできなかったな、と思う部分もある。結局、過ぎてしまった時間は取り戻せないのです。これからいくらでもやり直しがきくんだ、人生死ぬまでキャリア形成なんだと声高に叫んでみたところで、やっぱり「過去」の重さは厳然としてある。自分が変わりたくても、しがらみの中で変われない大人もいる。

「そして今 私は思っています/明日からもこうして生きていくんだろうと」(よしだたくろう「私は今日まで生きてみました」)

そういう“情けない”オトナの声を子どもたちに聞かせる必要はない…?…か。


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