カクレマショウ

やっぴBLOG

驚きと気づき

2006-02-02 | └社会教育
むつ市で先日開催された人権学習講座「ちがいを豊かさに」。

第1回のテーマは「わいどの権利って何?」。「わいど」というのは下北弁で「私たち」という意味です。

青森市内で保育園を経営するかたわら、子どもに関わる様々な活動を行っている佐藤秀樹さんをファシリテーターとして、特に子どもの「権利」をめぐる興味深いアクティビティを体験することができました。

最後のワークとして行ったのが、「自分が難民になったと想定して、持っていく物を8kg以内で選ぶ」というアクティビティ。「小・中学生の子どもが一人ずついる4人家族」、「父親が単身赴任している」、「寝たきりの親がいる」など、グループごとに家族構成のパターンを変えて考えるのです。

「難民になる」という設定は、今の私たちの生活とはあまりにも遠いオハナシなのですが、大切なのは「想像すること」なんだなとつくづく思いました。現実には世界にたくさんの難民がいて、苦しんでいる。もし自分がそんな状況に置かれたら。現実の難民の苦しみに対して、何も行動が起こせなくても、私たちは少なくとも彼らの現実を想像してみることはできます。自分自身は今「難民」という現実には直面していないけれど、「難民」になった自分を想像することはできます。

もちろん、「勝手な想像をしない」ようにするためには、「現実を知る」ことが大切です。真実を知ったときの驚き。なぜなんだろう?と感じる心。そういった感情と切り離しては、本当に「想像」することはできないでしょう。

ところで、「驚く」という言葉は、古語では「はっと気づく」という意味があったそうです。そういえば、古今和歌集にある「秋きぬと目にはさやかに見えねども風の音にぞおどろかれぬる」の「おどろく」は「びっくりする」というよりも「気づく」という意味が込められているのですね。

想像することによって「気づき」が生まれる人もいるでしょう。もっとちゃんと知りたい。自分が今何をすべきなのか。どんな行動を起こせるのか。気づきから学びへ。学びから行動へ。その原点となるのが「想像すること」なのかもしれません。

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