慶応大学の学生が起業した株式会社オーシャナイズは、学生たちが無料でコピーができるサービスを展開しています。(>>「タダコピ」)
その仕組みは至極簡単。コピー機にセットする用紙(A4判)の裏面全面に、予め学生向けの企業広告を刷り込んでおく。企業から受け取る広告費は用紙1万枚につき40万円。これでコピー代がタダにできるというわけです。現在、都内の大学15キャンパスに「タダコピ」が設置されているそうで、月間売り上げは1,000万円。諸費用差し引いても、完璧にペイできているのだとか。
広告はどれもカラーでデザイン的にもきれいです。内容は、採用案内や賃貸情報、若い女性向け商品の宣伝など、大学生向けに特化されています。もちろん裏写りなんかしないように、少し厚めの再生紙を使用しているそうです。ただのチラシじゃ捨てられてしまいますが、とったコピーをめくるたびに広告が目に入るわけですから、企業がその高い宣伝効果に期待するのも当然です。10月は19社と契約が成立しているそうです。「タダコピ」のサイトに載っている「使い方」が学生っぽくていい。
1. コピーしたい原稿を用意する。
2. 原稿を指定場所にセットする。
3. 10円を入れる場所を探す。
4. 10円を入れる場所がないことに気付く。
5. 不思議に思いながらスタートボタンを押す。
6. コピーが起動する。
7. タダコピの出来上がり。
ただ、何枚もコピーをとる場合、同じ広告が何枚も出てくるのでは?と疑問に思っていたら、「タダコピ」サイトのQ&Aに、「例えば、タダコピは学生が5枚コピーをとっても同じ広告はでないようになっております。1人の学生に対して1枚の広告が届くような仕組みづくりをしております。それにより、学生に対しては見る面白さや情報提供、協賛企業に対してはより高い価値を提供します。」とありました。ちょっと、これを読んだだけではその仕組みがわかりにくいのですが、いろんな企業の用紙を混ぜ込んでいるということでしょうか? それとも、同じ企業が数種類の広告を出しているということ?
いずれにしても、この事業はもともと、地元商店街の広告を載せてコピー代を半額の5円にする、というアイディアからスタートしたものだそうです。中途半端な「5円」ではなく、一挙に「無料」としたところが成功の秘訣でしょう。
それにしても、起業というのは不思議なものです。なぜこれまで誰も思いつかなかったんだろうと思うような簡単な仕組みで起業できたりするのですから。1枚10円とはいえ、コピー代にかかる経費は大学生にとってかなりの負担です。そういう学生たちのニーズと、企業の広告を結びつけるなんて、これは完全にアイディアの勝利です。
そう。「結びつける」というのが大切なのですね。アイディアというのは、一見関係のないもの同士を結びつけるところに生まれるのです。そういう感性って、もしかしたら若い時の方が豊かなのかもしれません。様々な経験を積んだ分、凝り固まったものの考え方からは、「結びつける」という発想は出にくいのかもしれません。
「オーシャナイズ」の社長が新聞で語っています。「若手企業家の話を聞き、お金のためにやっているんじゃないと感心したのがきっかけ。タダコピも学生支援という側面がある」(2006年11月9日付け読売新聞)。起業にはもちろん「もうけ」が必要なのですが、それが最優先事項になってはいけないのではないかと思いました。ベンチャーには「社会的使命」が絶対必要です。それをどこかに置き忘れたのがホリエモンでしょう。
一方で、別の意味での「大学発ベンチャー」も活発になっています。こちらは、大学で開発された技術を基にした、研究の成果としての起業です。それが今や1,500社にも達する勢いなのだとか(2006年11月8日付け読売新聞)。しかし、こちらは、補助金や企業からの人材派遣に頼る部分も大きく(「生命維持装置」を必要とすることから「チューブ会社」と揶揄されているそうです)、また「営業・販売」分野が弱いという、ベンチャーとして決定的な弱点も抱えています。大学発ベンチャーの二大分野と言われるITとバイオテクノロジーは、元手も時間もかかるし、いわゆる「一般向け」ではない。
同じ大学を舞台としながら、「タダコピ」と「チューブ会社」とは、あまりにも対称的ですね。
その仕組みは至極簡単。コピー機にセットする用紙(A4判)の裏面全面に、予め学生向けの企業広告を刷り込んでおく。企業から受け取る広告費は用紙1万枚につき40万円。これでコピー代がタダにできるというわけです。現在、都内の大学15キャンパスに「タダコピ」が設置されているそうで、月間売り上げは1,000万円。諸費用差し引いても、完璧にペイできているのだとか。
広告はどれもカラーでデザイン的にもきれいです。内容は、採用案内や賃貸情報、若い女性向け商品の宣伝など、大学生向けに特化されています。もちろん裏写りなんかしないように、少し厚めの再生紙を使用しているそうです。ただのチラシじゃ捨てられてしまいますが、とったコピーをめくるたびに広告が目に入るわけですから、企業がその高い宣伝効果に期待するのも当然です。10月は19社と契約が成立しているそうです。「タダコピ」のサイトに載っている「使い方」が学生っぽくていい。
1. コピーしたい原稿を用意する。
2. 原稿を指定場所にセットする。
3. 10円を入れる場所を探す。
4. 10円を入れる場所がないことに気付く。
5. 不思議に思いながらスタートボタンを押す。
6. コピーが起動する。
7. タダコピの出来上がり。
ただ、何枚もコピーをとる場合、同じ広告が何枚も出てくるのでは?と疑問に思っていたら、「タダコピ」サイトのQ&Aに、「例えば、タダコピは学生が5枚コピーをとっても同じ広告はでないようになっております。1人の学生に対して1枚の広告が届くような仕組みづくりをしております。それにより、学生に対しては見る面白さや情報提供、協賛企業に対してはより高い価値を提供します。」とありました。ちょっと、これを読んだだけではその仕組みがわかりにくいのですが、いろんな企業の用紙を混ぜ込んでいるということでしょうか? それとも、同じ企業が数種類の広告を出しているということ?
いずれにしても、この事業はもともと、地元商店街の広告を載せてコピー代を半額の5円にする、というアイディアからスタートしたものだそうです。中途半端な「5円」ではなく、一挙に「無料」としたところが成功の秘訣でしょう。
それにしても、起業というのは不思議なものです。なぜこれまで誰も思いつかなかったんだろうと思うような簡単な仕組みで起業できたりするのですから。1枚10円とはいえ、コピー代にかかる経費は大学生にとってかなりの負担です。そういう学生たちのニーズと、企業の広告を結びつけるなんて、これは完全にアイディアの勝利です。
そう。「結びつける」というのが大切なのですね。アイディアというのは、一見関係のないもの同士を結びつけるところに生まれるのです。そういう感性って、もしかしたら若い時の方が豊かなのかもしれません。様々な経験を積んだ分、凝り固まったものの考え方からは、「結びつける」という発想は出にくいのかもしれません。
「オーシャナイズ」の社長が新聞で語っています。「若手企業家の話を聞き、お金のためにやっているんじゃないと感心したのがきっかけ。タダコピも学生支援という側面がある」(2006年11月9日付け読売新聞)。起業にはもちろん「もうけ」が必要なのですが、それが最優先事項になってはいけないのではないかと思いました。ベンチャーには「社会的使命」が絶対必要です。それをどこかに置き忘れたのがホリエモンでしょう。
一方で、別の意味での「大学発ベンチャー」も活発になっています。こちらは、大学で開発された技術を基にした、研究の成果としての起業です。それが今や1,500社にも達する勢いなのだとか(2006年11月8日付け読売新聞)。しかし、こちらは、補助金や企業からの人材派遣に頼る部分も大きく(「生命維持装置」を必要とすることから「チューブ会社」と揶揄されているそうです)、また「営業・販売」分野が弱いという、ベンチャーとして決定的な弱点も抱えています。大学発ベンチャーの二大分野と言われるITとバイオテクノロジーは、元手も時間もかかるし、いわゆる「一般向け」ではない。
同じ大学を舞台としながら、「タダコピ」と「チューブ会社」とは、あまりにも対称的ですね。
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