社会活動家・湯浅誠さんが、「課題解決は体で学ぶ」という記事(平成27年2月4日付け毎日新聞)の中で、小さい頃、障害を持つ兄と野球をやった時に「みんながルールを調整した」という体験が、今思えばまさに「課題解決型の主体的学習」つまり「アクティブ・ラーニング」の実践だったということを書いています。
次期学習指導要領にもその充実が盛り込まれることになっているアクティブ・ラーニング。要は、ある課題に対して、自分で考え他の意見とすり合わせしながら解決策を探っていくという授業方法です。湯浅さんも書いているのですが、私は、先生が「課題」を提示して(答も実は先生がひそかに握っていて)、さあ考えてみよう、って、本当に「アクティブ」なのー?と思っています。実は、「主体的な」課題解決型学習というからには、子どもたち自身が「課題」を探すところから始めるべきじゃないのかなあ。更に言えば、アクティブ・ラーニングで目指す「思考力、表現力、協働性」といった資質は、「課題解決型の授業」だけで培われるものでもないだろうと思う。湯浅さんの経験談のように、実際の(予め埋め込まれていない)活動や体験を通して、「既存のルールを疑い、現状に応じて最適化していく」経験を積み重ねることによって養われていくのが本来の姿なんだろうと。もちろん、学校の授業は、そのきっかけづくりにはなり得るけど。
社会のルールは、もちろん、世の中を良くしていくために人がつくるものですが、それに縛られて人間関係が窮屈になってしまったら本末転倒です。実際の人間関係に合わせたルールをつくる体験こそが、まさに「アクティブ」な学びになっていくのです。あくまで「自然」にね。
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