カクレマショウ

やっぴBLOG

輝け団塊世代

2006-04-25 | └キャリア教育
ちょうど私が生まれた頃、「団塊世代」は青春まっさかり。テレビや映画や本を通して、彼らの輝いていた姿を目にするたび、もう少し早く生まれたかったと思ったものでした。

私にとって「団塊世代」とはいつも新しいことに挑戦してきた世代というイメージがあります。その代表選手が吉田拓郎です。先日のNHK「クローズアップ現代」では、この4月に60歳になった拓郎を「新60代」の象徴として描いていました。番組では大分でのコンサートの様子を紹介していましたが、確かに、ギターを抱え、バンドを従えてマイクの前で歌う姿は、これまでの「60歳」のイメージとはほど遠いものがあります。もちろん見てくれだけでなく、彼の考え方、生き方そのものがそれまでの世代とは大きく異なっていました。常に新しいことに挑戦し続け、強烈なメッセージを投げかけてきた吉田拓郎。その姿に自分自身を投影することができる同世代の皆さんがうらやましくもあります。

「戦争を知らない子どもたち」とあっさり認めた団塊世代は、ある意味で別の「戦争」をくぐり抜けてきたとも言えます。熾烈な「受験戦争」を経て、「モーレツ社員」、「企業戦士」として日本経済を支えてきたのですから。

そんな団塊世代にもいよいよ「定年」という人生の節目が近づいています。彼らの「受け皿」を狙って、あの手この手の様々な取組が注目を集めています。昨日(4月24日付)の地元紙(デーリー東北)には、ある土木業者が、団塊世代をターゲットにした家庭菜園の土壌改良をオーダーメードで行う事業を始めるという記事が載っていました。退職したあと、家庭菜園に目を向ける団塊世代が多いことを見越し、「有望な市場と見込まれている」のだそうです。

また、4月22日付の朝日新聞は、団塊世代を支援するNPOをつなぐ初の全国組織として「特定非営利活動法人 地域創造ネットワーク・ジャパン」が5月に設立されると伝えています。記事では、東京都が2003年に実施した調査の結果も紹介されていますが、それによると、団塊世代でボランティアやNPO活動に参加している人は現状では1割だが、5年後のイメージとしてこうした活動に参加したいとした人が4割を超えるのだとか。

団塊世代の「ポスト定年」事業を実施しているNPOが着々と増えている中、そうしたNPOの全国的なネットワークができることで、個々の活動もさらに幅広いものとなっていくことが予想されます。団塊世代が企業で培ったマネジメントのノウハウや人的つながりが、NPO活動においても生かされるのではないかと思います。

少し心配なのは、企業という「タテ社会」、「ピラミッド社会」で戦ってきた彼らが、NPOという横のネットワーク、「ウェブ型社会」にすんなり適応できるかということです。やたらと「かつての地位」を引き合いに出したり、何かと命令口調になってしまうようでは、NPOの活動はやっていけないでしょう。長年の慣れから脱却するのは並大抵のことではないと思いますが、根本的な意識の転換が求められるのかもしれません。また、団塊世代に限らず、これから退職する世代は、「定年」によって自分が「ピラミッド」の一角から外れることを予め十分意識し、そうしたトレーニングをしておく必要もありそうです。

しかし、団塊世代が担ってきたパイオニア精神、チャレンジ精神は、どんな場においてもきっと生き続けます。吉田拓郎に定年がないように、いつまでも私たち後進世代の憧れであり続けてほしいと願っています。


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