カクレマショウ

やっぴBLOG

技術と技能

2004-12-09 | └社会教育
今日、ある人から「技術」と「技能」の違いって何か、という質問を受けました。

たとえば、学校教育関係の文書では「知識と技能を身につけさせる」という記述になっているのに、社会教育では一様に「知識と技術を…」となっているのだそうです。調べてみたら確かにそうでした。しかし、社会教育でも、例えば、「パソコンの技能」を身につけると言ったり、文部科学省が認定しているのは「技能審査」(英検とか漢字検定とか)です。

「技術は単なるテクニックで、誰でも訓練や学習によって身につけることができるもので、技能というのは、特に高い技術的能力を擁するものじゃない?」ととっさに答えてしまいました。たとえば、「パソコンの技術」というのは、パソコンを立ち上げたり、キーボードで文字が入力できたり、インターネットに接続できるといった単純なテクニックであり、「パソコンの技能」という場合には、それらの「技術」を使って文書を作成したり、インターネットで情報を収集して自分なりの考えをまとめたりすることじゃないか、と苦しい説明をしてしまいました。

調べてみると、「技術」というのは「文書化やマニュアル化されるもの」が多く、「技能」はある特定の人が持つ優れた能力であって、マニュアル化されないもの、という説明を見つけました。なるほど。

社会教育や生涯学習の大原則は、その気さえあれば「誰でもいつでもどこでも」学習できる社会をめざすものですから、優れた「技能」を持ったある特定の名人を育てることに重きを置くものでない。だから(比較的習得しやすい)「技術」という用語を使用している、ということなのではないでしょうか。となると、学校教育でなぜ「知識と技能」という用語を使うのかがわからなくなりますが…。

技術と技能、ふだん何気なく使っている言葉ですが、違いを考えてみるとおもしろいですね。

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