中国には、想像を絶するような自然の景観が数多く見られますが、今夜NHKスペシャルで放映された「天坑」にもびっくりさせられました。
中国南部のカルスト地帯、山の中腹や頂上付近に、巨大な穴がぽっかりあいています。その数20以上。大きいものは直径600mにもなる巨大な穴。穴の周囲はほぼ垂直に切り立った石灰岩質の白い絶壁。まるで神が気まぐれにドリルで大地にうがったようにも見えます。実際、中国では、「神があけた穴」という意味で、これらの巨大穴を「天坑」と呼んでいます。地元の人々は、その形容から「大石囲」とも呼んでいるそうです。
2005年11月、中国地質科学院は「天坑」の調査を開始しました。調査といっても、大がかりな機械を使うわけではありません。数人の調査隊が、数百メートルの絶壁をロープ1本で下降して穴の底に降り立ち、そこからさらに洞窟を奥深く潜行する、という、何ともオーソドックスな、かつての「川口浩探検隊」ばりのワクワク感あふれる調査です。
穴の底はうっそうとした森。おそらくは人間が初めて足を踏み入れる地です。気温も湿度も地上より高めなので、亜熱帯の植物や新種と思われる生物(紹介されていたのは殻の小さなカタツムリというかわいいものでしたが)が発見されます。
そこで調査隊は、何やら霧が吹き出る洞窟を発見します。真っ暗な洞窟に当然のように入っていく探検隊。じゃない調査隊。そこは鍾乳洞。おそらく10万年もの長い年月をかけて作られた巨大な鍾乳石の柱。そして地下水。流れをたどっていくと、巨大な地下湖にたどり着く。なんと魚が泳いでいる。目の退化した透明な魚。さらに地下水脈をボートでたどっていくと、水がすごい勢いで岩の裂け目から地下に吸い込まれていく。渦を巻いている。あんなところに落ちたら永遠に地下に閉じこめられてしまいます。ぞっとしました。
取材班もすごいです。先回りして「やってくる調査隊」を映像に収めなければならないのですから。川口浩クルーと同じく、まさに命がけです。
調査隊は、別の「天坑」にも潜入します。そこでは、東京ドーム何個か分だかの広い空間に出くわします。しかも、上を見上げると、はるかかなたにぽっかり空が丸く切り取られて見えるのです。調査隊はすぐさま地上と連絡をとり、地上スタッフがその穴の縁に急行します。山の中にいきなり口を開けている直径10mほどの穴。中をのぞき込んでも真っ暗で何も見えません。地上スタッフは装備をロープで吊して、穴の上から下にいる調査隊に届けることにします。下から見上げると荷物がまるで豆粒のように見えます。高さは260mあったそうです。東京タワーの特別展望台(高さ250m)とほぼ同じだ! 横浜ランドマークタワー(296m)は頭だけ地上に出ている。
地下の大空間と天井の小さな穴。これは「天坑」ができる直前の姿ではないかと隊長が推測しているのだそうです。2つめの「天坑」調査の目的は、地下河川の存在を確かめようというものでした。予想通り、調査隊は河川の存在と、その流れが最初の「天坑」の方向に向かっていることを確認します。20以上の「天坑」はこの地下河川に沿って位置しており、河川の水量の増減により、周囲の空間の壁を崩落させて地下の空間(洞窟)がだんだん広くなり、ついには地上も崩れてぽっかり「巨大穴」があく。地下河川の存在こそ、「天坑」形成の謎を解くのだと言います。
今回の調査では、本当はもっといろいろな発見があったのではないかと思います。50分の放送枠では伝えきれないものが。それと同時に、人間が行う調査の限界も感じました。番組でも最後に言っていましたが、「天坑」について、わかったことはまだほんのわずかであると。
あまり欲張らず、少しずつ解明していってほしいものですね。
中国南部のカルスト地帯、山の中腹や頂上付近に、巨大な穴がぽっかりあいています。その数20以上。大きいものは直径600mにもなる巨大な穴。穴の周囲はほぼ垂直に切り立った石灰岩質の白い絶壁。まるで神が気まぐれにドリルで大地にうがったようにも見えます。実際、中国では、「神があけた穴」という意味で、これらの巨大穴を「天坑」と呼んでいます。地元の人々は、その形容から「大石囲」とも呼んでいるそうです。
2005年11月、中国地質科学院は「天坑」の調査を開始しました。調査といっても、大がかりな機械を使うわけではありません。数人の調査隊が、数百メートルの絶壁をロープ1本で下降して穴の底に降り立ち、そこからさらに洞窟を奥深く潜行する、という、何ともオーソドックスな、かつての「川口浩探検隊」ばりのワクワク感あふれる調査です。
穴の底はうっそうとした森。おそらくは人間が初めて足を踏み入れる地です。気温も湿度も地上より高めなので、亜熱帯の植物や新種と思われる生物(紹介されていたのは殻の小さなカタツムリというかわいいものでしたが)が発見されます。
そこで調査隊は、何やら霧が吹き出る洞窟を発見します。真っ暗な洞窟に当然のように入っていく探検隊。じゃない調査隊。そこは鍾乳洞。おそらく10万年もの長い年月をかけて作られた巨大な鍾乳石の柱。そして地下水。流れをたどっていくと、巨大な地下湖にたどり着く。なんと魚が泳いでいる。目の退化した透明な魚。さらに地下水脈をボートでたどっていくと、水がすごい勢いで岩の裂け目から地下に吸い込まれていく。渦を巻いている。あんなところに落ちたら永遠に地下に閉じこめられてしまいます。ぞっとしました。
取材班もすごいです。先回りして「やってくる調査隊」を映像に収めなければならないのですから。川口浩クルーと同じく、まさに命がけです。
調査隊は、別の「天坑」にも潜入します。そこでは、東京ドーム何個か分だかの広い空間に出くわします。しかも、上を見上げると、はるかかなたにぽっかり空が丸く切り取られて見えるのです。調査隊はすぐさま地上と連絡をとり、地上スタッフがその穴の縁に急行します。山の中にいきなり口を開けている直径10mほどの穴。中をのぞき込んでも真っ暗で何も見えません。地上スタッフは装備をロープで吊して、穴の上から下にいる調査隊に届けることにします。下から見上げると荷物がまるで豆粒のように見えます。高さは260mあったそうです。東京タワーの特別展望台(高さ250m)とほぼ同じだ! 横浜ランドマークタワー(296m)は頭だけ地上に出ている。
地下の大空間と天井の小さな穴。これは「天坑」ができる直前の姿ではないかと隊長が推測しているのだそうです。2つめの「天坑」調査の目的は、地下河川の存在を確かめようというものでした。予想通り、調査隊は河川の存在と、その流れが最初の「天坑」の方向に向かっていることを確認します。20以上の「天坑」はこの地下河川に沿って位置しており、河川の水量の増減により、周囲の空間の壁を崩落させて地下の空間(洞窟)がだんだん広くなり、ついには地上も崩れてぽっかり「巨大穴」があく。地下河川の存在こそ、「天坑」形成の謎を解くのだと言います。
今回の調査では、本当はもっといろいろな発見があったのではないかと思います。50分の放送枠では伝えきれないものが。それと同時に、人間が行う調査の限界も感じました。番組でも最後に言っていましたが、「天坑」について、わかったことはまだほんのわずかであると。
あまり欲張らず、少しずつ解明していってほしいものですね。
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