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『99.9%は仮説─思いこみで判断しないための考え方』(竹内薫、光文社新書)

2006-04-07 | ■本
本屋で平積みされていて、タイトルにちょっと惹かれて読んでみました。

世の中の常識や習慣や定説─要するに「正しい」と思われていること─は、全部ただの「仮説」に過ぎず、覆されることが往々にしてあるし、歴史を振り返ってみても実際に仮説が覆されてきた例は数多い、ということをとてもわかりやすく説いてくれる本です。中学生が読んでも理解できるでしょう。というより、中学生、高校生にこそ、読んでもらいたい本です。

たとえば、飛行機がなぜ空を飛ぶしくみについても本当はよくわかっていない、なんて、冒頭からびっくりさせてくれます。もっとも著者は巻末で、「つかみ」的にああいう「過激な」書き方をしたといういいわけをしているのですが、でも、飛行機を飛ばしてみたらよくわからないけど飛んだ、ってのも、考えてみればぞっとする話です。

歴史上の「宇宙観」における思い込みや固定観念、帰納法と演繹法、ロボトミー手術、10番目の惑星、と「仮説」に満ちた興味深い話が次々と出てきますが、なるほどと思ったのは、科学と歴史に関わる部分です。

日本語の「科学」とはもともと「多くの科に分かれた学問」という意味の訳語です。しかし、もともとヨーロッパにおける科学とは「哲学」のことだったのです。森羅万象の根源とか成り立ち、意味を探求する総合的な学問だったはずなのに、「産業革命と歩を合わせるようにして、物理学、化学、地学というようにどんどん専門分科が進んでいった」(p.142)。日本に入ってきたのはそんな細分化された「科学」であり、「ですから、日本の科学は、西洋で脈々と受け継がれてきた歴史や精神に欠ける部分があります。」(同)。

科学を、本来の哲学としてとらえること、そして、哲学としての科学の歴史を私たちはもっと知る必要があるなと思いました。そうすれば、いわば、そのときどきの「仮説」で動いてきた歴史(政治史、戦争史…)ももっとよくわかるようになるだろうし、さらにそうした歴史の中の「仮説」を知ることによって、今私たちが直面している様々な問題も実は「仮説」の中で動いているに過ぎないということに気づくことができるのです。

竹内氏は、常識や先入観や固定観念にしばられず、「スイッチを切り替え」ることが大切だと言っています。「仮説思考」で、一度いろいろなことを疑ってみることから、きっと新しいアイディアが生まれるのでしょう。

実際にはなかなかそれを意識することはムズカシイんですけどね。けれど、そういうトレーニングをすることも、もしかしたら社会教育の役割かもしれません。

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