驚くほどと言うことはないが、巷間、言われていた円安傾向が、ジワリと円高に向かって反転している。なぜなのかと多くの識者も含めて、謎解きに必死である。FRBの利上げと黒田総裁の金融緩和策の継続声明を受けて、日米、さらにはアメリカの利上げに追随する欧州銀行などとの金利差は拡大する一方である。この傾向を考えれば、識者の多くが言う円で運用するよりもドルで運用する方が得だという理論はまともだ。だから、円を売って、ドルを買う動き、すなわち、円安が進むのだと彼らはしたり顔で話をしていたのである。だが、この今の動きである。彼らも不思議な顔をし始める。円は1ドルに対してで、一時139円まで安くなっていたのだが、現在は136円まで値を上げている。今日のテレビでは日本政府が原発開始をすると発表したからだというバカな解説をしていたが、原発を開始したところで、大した貿易収支の改善にはならない。それならば、ドイツも原発を開始すると発表しているので、ユーロも高くなるはずだが、そうならない。私が考えるのは為替レートによる株式市場の動きだ。東京市場はNY市場に比べて、円安が進むにつれて好調になっている。つまり海外資本によって買われているのだ。円高圧力だ。海外に生産拠点を持っている多くの日本企業の業績に為替は実質的な影響はない。だが、東京市場での企業業績は円で表示される。円安は見た目の業績にとって、有利なのである。(くちなし亭へようこそ、2022.07.23)
Y-FP Office Japan(http://www.y-fp-office-japan.jp)
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます