７月２６日、西アフリカのニジェールで、軍事クーデターが起きた。ティヌブ大統領が追放され、大統領警護隊のチアニ将軍が軍事政権を主導している。それに対して、西アフリカ諸国で構成するECOWASの緊急首脳会議が開かれ、１０日、議長国のナイジェリアのティヌブ大統領は、「最終手段としての武力行使を含め、いかなる選択肢も排除されない」と主張した。にわかに西アフリカで世界戦争が勃発しそうな雰囲気なのである。これもウクライナ戦争の影響かもしれない。西アフリカでは、約1年半の間に6回ものクーデターが発生した。2020年8月と2021年5月にはマリで、2021年9月にはギニアで、2022年1月にはブルキナファソで、国軍が大統領などの身柄を拘束し、軍事政権を樹立した。当然、これらの国は今回成立したニジェールの軍事政権を支持している。旧宗主国のフランスを排除して、ロシアに接近し、ワグネルような傭兵部隊を受け入れている。対立の構図が鮮明である。クーデターに反対する勢力は、ECOWAS連合軍のメンバーとして、セネガル、コートジボワール、ベナン、ナイジェリアの4カ国、さらに周辺国として、アルジェリア、モーリタニア、ガンビア、ギニアビサウ、シエラレオネ、リベリア、ガーナ、トーゴの8カ国があがる。（くちなし亭、2023.08.11）
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