日銀は7月28日に開いた金融政策決定会合で長短金利操作(イールドカーブ・コントロール、YCC)の修正を決めた。長期金利の上限は0.5%を「めど」としたうえで、市場動向に応じて0.5%を一定程度超えることを容認するというこれまでの異次元金融緩和の政策から大きく舵を切った。この結果、3日の東京債券市場で、長期金利の代表的な指標となる新発10年物国債の流通利回りが一時、前日終値比0.02%高い0.65%まで上昇(債券価格は下落)した。これは2014年4月以来、約9年ぶりの高水準である。これは為替に影響する。一方的に進んでいた円安に一服感がある。あまりの円安はエネルギーの輸入価格を上げて、国内のインフレを加速する。それでなくてもこのところの原油高であり、穀物価格の高騰である。どこかで円安に歯止めをかける必要に迫られていたのである。(くちなし亭、2023.08.03)
Y-FP Office Japan(http://www.y-fp-office-japan.jp