南太平洋上に浮かぶ南米チリのイースター島と言えば、モアイ像である。この巨大な像をどこで造り、どう運んだのかなど、謎だらけである。謎が深いことはそこに夢があるということだ。我々が知らない知識で、それらの作業が行われた可能性があるということだ。だから、見ても楽しいのだが、貴重なのだ。そのイースター島で４日から５日にかけて草原火災が発生し、多数のモアイ像が「修復不可能な」損傷を受けたという。火災原因は家畜放牧のための野焼きとみられる。野焼きの火が想像以上に広がり、あるいは石で火には強いと思ったのかもしれないが、とにかく石でできたモアイ像は火に弱かったのである。モアイ像の中には地中に埋まっているものもあり、一帯には３８６基のモアイ像が点在しているが、相当数に高熱によるひびが入るなどの被害が出ているという。しかし、１０００年前に造られたと思われるモアイ像が雨や風の影響を受けながらもたくましく生き残ってきたのだが、高々、放牧農家の野焼きで、ヒビが入るほどの損傷を受けるとは人間の自然への関与の大きさを知らされたのである。（くちなし亭へようこそ、2022.10.08）
Y-FP Office Japan(http://www.y-fp-office-japan.jp)
