今、クレディ・スイスに不安の目が向けられている。クレディ・スイス債の5年間の保証コストを反映するクレジット・デフォルト・スワップ(CDS)スプレッドが過去最高水準に達し、リーマンショック時並ぶものとなった。これは2008年の金融危機当時を想起させるというのである。この状況下で、同社株は3日、一時11.5%下落し、債券は最安値を付けた。同社は近年、アルケゴスへの出資失敗など、大きな損失を出している。この株価下落やCDSスプレッド高騰の背景には何かがあるのではないかとみられているのである。クレディ・スイスと言えば、一般的な銀行ではない。裕福なお金持ちにアプローチして、その運用を任せてもらうことで、大きな利益を出してきた銀行である。中には、ロシアの裕福な人もいるだろうし、中東の金持ちもいる。当然チャイナマネーも入ってきている。今はウクライナ戦争や台湾有事で、混乱期である。ロシアや中国の金持ちはお金の引出しに奔走し始めたのかもしれない。とにかく、クレディ・スイスを巡って、何かが起こっていることだけは間違いない。(くちなし亭へようこそ、2022.10.06)
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