中国の第20回共産党大会が北京で16日より開かれているが、習近平国家主席の3期目が確実視されている。さらに香港紙サウスチャイナ・モーニングポスト(電子版)は18日、李克強首相が「完全引退を選ぶ可能性が高い」と報じた。李氏は来春に首相を退くが共産党の慣例上の定年には達しておらず、党最高指導部に残留するとの情報もあった。だが、完全引退するとなれば、唯一、習近平主席に物を言う人がいなくなるということだ。これで、習近平総書記(国家主席)の「1強体制」が鮮明になる。経済においてはこれまでの改革開放路線を修正し、より社会主義的な政策にシフトするだろう。国有企業を優先し、民間企業をその下に置くという政策を進める。3期目に入れば、これまでのコロナ政策を多少緩めるかもしれないが、相変わらず継続するだろう。コロナ対策は国内を自己の管理下に置く有効な手法なのである。だが、不動産市場の崩壊などとともに進む経済の悪化は国民の不満を招く。イランもそうだが、ちょっとした出来事がきっかけに大きな騒乱に発展することもあるのだ。(くちなし亭へようこそ、2022.10.19)
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