今年のヨーロッパの冬は厳しそうである。ドイツでは天然ガスの備蓄が順調に進み、何とか乗り切れそうだという情報があったが、それもかなり底上げしたもののようだ。イギリスである。イギリスはロシアの天然ガスに多くを頼ってきたわけではない。ロシア産ガスは、英国のガス需要全体の約4%に過ぎない。それでもガスに苦しんでいるのである。理由は簡単である。天然ガスの取り合いで価格が高騰し、確保が難しくなっているからである。英ガス電力市場監督局(Ofgem)は電力会社SSE宛て書簡で、「この冬には一部の天然ガス火力発電所へのガス供給が制限され、発電が停止する緊急事態が生じかねない。」と伝えた。Ofgemはまた「われわれはこの冬、あらゆるシナリオを想定しなければならない。その結果として電力系統運用会社ナショナル・グリッドESOやガスシステム運用会社GSO、および政府と協力し、英国のエネルギーシステムが準備万端で冬を迎えられる取り組みを進めている」とも述べている。どこの国もこの冬、乗り切れるか、乗り切れないかの瀬戸際に立たされていることは間違いない。(くちなし亭へようこそ、2022.10.04)
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