カネボウ化粧品が販売したロドデノールを含んだ化粧品を使用した人たちに発生した白斑事件が明るみになったのは昨年の9月のことである。いくつかの法律事務所が集団訴訟を行っているのだが、その後の被害者の経過が次第に明らかになってきた。今年の5月末時点で、この症状が確認された人の数は1万8900人。このうち、あくまでも会社側の発表だが、回復、もしくは回復に向かっている人の数は7144人。38%である。一方、回復していない、もしくは回復が遅れている人はおよそ4000人いるということで、この人たちに対して、カネボウ化粧品社は、後遺症を含めた慰謝料を検討しているそうだ。つまり、治すことをあきらめたか、あるいは、あまり、今後にこの問題を引きずっていたくないと判断したかである。幕引きを急ぐ人たちは東京都議会ばかりではなさそうである。