風塵社的業務日誌

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いびき

2017年09月11日 | 出版
なんでも、小生のいびきがうるさいらしい。妻が文句ばっかりつけてくる。しかしそんなことを言われても、こちらは眠っているのだから、意識していびきをかいているわけではない。なんとも不当な言いがかりのように聞こえてくるけれど、妻にしてみれば安眠を妨害されて迷惑このうえないことだろうとは想像できる。そこで対策を考えないといけないということになるのだが、こちらにはまったく名案はない。
いびき対策になるものを妻が発見したらしく、某日曜日、新宿の某お店にいびきをかかなくなる枕なるものを買いに出かけることになった。いびきがうるさいと言われても、夏場の疲れとストレスによるメンタル系が原因じゃないの?とこちらは思っているから、たいして気が乗らない。それでも、妻の安眠のためには仕方がないかというところである。
そのいびき用枕というものは、ウレタン製で幅が広く中央が盛り上がっている。つまり横向き寝に自然となることにより、少しでもいびきを軽減させようと設計されているのだそうだ。お値段はそこそこである。ところで、小生は横向き寝のクセがついていたはずだと思う。それが横向きで眠れないところに問題があるはずであるから、この枕が役に立つのだろうかといぶかしみながらも、買って帰ることにした。
さしてアルコールを入れることもなく、その日の晩は早々に寝ることになる。早速その枕を使ってみたことはいうまでもない。日ごろ疲れているせいか、最初の寝つきは悪くなかった。トロトロまどろみ始める。ところが、深夜12:00前くらいだったか、妻にたたき起こされた。なんじゃらほいと目を覚ませば、枕の使い方が正しくなく、いびきがいつもよりさらにうるさいげな。なんやそりゃ。
先述のとおり変型判の枕であるため、小生は両腕を頭上に伸ばして、盛り上がったところにわざわざ頭を固定させて、悠然と大きないびきをかなでているということだ。そんなこと指摘されても、こちとら意識はないし、もちろん意図的なものではない。つまりは、その高い枕では効果がなかったというそれだけのことになってしまう。
目が覚めると、クーラーのタイマーが切れていて蒸し暑い。眠れなくなってしまった。妻も眠れないのか、スマホを見つつゴロゴロしている。再び横になると、そのいびき用枕ではどうも調子が悪い。押入れから、何十年もこれまで使ってきたそば殻枕を取り出し、新しい枕と交換することにした。枕は長年使ってきたものにかぎると、その枕に頭を静めて来し方と行く末を思いつつまた寝入ろうとした。
若いころはそれでそのまますぐに寝入ったものを、ストレスまみれのけふこのごろではそうは問屋が卸してくれない。弊社の場合、問屋は勝手に卸してくれるものの、お金を払ってくれない。いや、その話はまた別の機会にするとし、一度目が覚めてしまうとなかなか寝付けないのだ。横では妻が相変わらずゴロゴロしている。
「さっきの枕、返品しようか。あんまり効果なさそうだし、そもそもやっぱりウレタンが好きじゃない」「えー、また新宿にそれを持っていくの?」「しょうがないだろ、使えないんだから」「うーん、週末に考えようか」。なんて話をしていたら、ようやく眠くなってきた。その後、小生のいびきがどうなったのかは知らないが、朝は勝手にやってくる。
そして朝食後、会社に向かおうと着替え(外出用の短パンをはくだけ)をしていると、妻が「ちょっと、いびきのことどうするのか、会社に行ったら調べてきてよ」げな。こいつは、どうしてそのタイミングでバカらしいことを言い始めるのだろうか。つまり、家を出るときというのは、こちらは仕事モードに気分を切り替えようとしている瞬間である。いびきのことなんて、オツムから締め出し、あれをどうしようか、これも片付けないといけなかったと考え始めているところに冷や水を浴びせられたような気分だ。
温厚な小生もこれにはいささかムカッとなる。「なんでいま、そんなこと言うわけ」「じゃあ、いつだったらいいのよ」「朝ごはん食べてるときでもいいだろ。こっちはいまから、いろいろやることがあるんだよ」。バタンと、ドアの閉め方がいささか荒くなってしまうのもいたしかたのないことだ。
男女の脳のちがいを説明する本がよく売れたことがあった(いまも?)。そういう本に小生はあまり関心がなく、これまでほとんど読んだこともないのだけれど、プロセスの留意点が妻とは明らかにちがうのは、以前からわかってはいた。
こちらにしてみれば、「さてこれから仕事をするぞ!」とテンションを上げたところで、日常のわかりきっている(しかも処方箋なしともわかりきっている)問題を突きつけられてもうんざりするだけなのだ。そしてさらに、テンションを上げたところで水を差すような行為は、足を引っ張っているようにしか感じられない。うちの妻は、よっぽど苦労ばかりしたいのだろうと考えながら、池袋へと歩いていくことになる。あまり寝ていないので、ジョギングで出社する気にはなれなかった。

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