風塵社的業務日誌

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西浦和へ

2017年09月12日 | 出版
某平日、そぼ降る雨のなか、西浦和へと出かけることにした。それほどたいした用件でもなく、わざわざ足を運ぶほどのことでもないのかもしれないが、久しぶりだしとりあえず行ってみようかと思い立ったわけである。先方には10:00くらいにうかがうことを事前に伝えておいた。それにしても本当に久しぶりだ。最後に行ってからもう何年経っただろうか。おかげで、移動時間がどのくらいかかるのか見当もつかない。
少々の遅れなら許されても、たいした用事ではないとはいえ、大幅に遅刻するわけにもいかないだろう。普段より少し早く、8:00に家を出て池袋へと歩いていく。池袋発8:40くらいの埼京線に乗り、まずは武蔵浦和へ。埼京線に乗るのも久しぶりだ。埼京線は高架を走っているから、雨模様とはいえ車窓からの風景が楽しい。荒川に差し掛かる。某氏から荒川近辺をレポートしたメールが送られていた。もう秋だし、小生も赤羽から荒川方面の散歩にでも出かけようか。
朝から下り方面の電車に乗っていると、他の乗客の姿が都心へと向かう通勤客とはちがうことに気がつく。どことなくラフなかっこをしている。首からイカをぶら下げている奴など一人も見当たらない。小生の隣りに座っているオバハンは、iPS細胞の対談本を読んでいるようだ。この人たちもどこかにお勤めなのではあろうけれど、工場勤務なのだろうか。しかし、工場の場合は一般に始業時間が早いはずだけどと、どうでもいいようなことで他者の心配を始める始末。
9:00ころに武蔵浦和に到着。実は時計を持ち歩いていないし、時計替わりのガラケーは壊れたまま。そのため、駅の掲示板が時計の替わりであって、非常にいい加減な時間感覚を記している。武蔵浦和の駅構内はずいぶんとおしゃれになったような印象だ。しかし、昔の姿を覚えているわけではないので、あくまでも印象にすぎない。そこをややこしく通り過ぎ、武蔵野線のホームへと移動。幸いすぐに電車が入ってきたので、飛び乗ることになる。そして西浦和に着いてみれば、まだ9:10ほどだ。
そこから15分ほど歩かなければならないのだけれど、それにしても結構速く着いたものだ。こんなことなら家でもう少しゆっくりしていればよかったなどと、つまんないことを考えても仕方がない。しかし、それでもあまりに早いので、駅前のチェーンのファストフード店に入り、原稿を読みながら時間をつぶすことにする。しばらく読んでいて、ふとお店の時計を見たら9:30を指している。ちょうどいい時間かなと、某所に向かって歩いていくことにした。
線路と直角に交わるように大きな幹線道路が走っており、その道をそこそこ進み、ある交差点をちょこんと曲がれば目的地だ。そのへんは倉庫や青果市場などが点在している地区で、製本所などもいくつかある。その「ちょこん」を曲がりしばらく進むと、市民用の貸し出し農園があった。ずいぶんとしっかり手入れがなされているようだ。ニンジンを2、3本抜いて持ち帰ろうかとも思うがやめておく(冗談)。
某所での用事は5分も必要とせずに無事終了。そのまま、雨のなかを駅へともどる。ここでドラマ版『孤独のグルメ』ならば、「腹が減ったなあ」と実感し美味しい店に入るところであるけれど、まだそんな時間ではない。武蔵野線で南浦和に移動し、そこで京浜東北線に乗り換え、会社に向かうことにした。しかしそれにしても、武蔵野線は遅くできた路線であるためか、乗換駅はどこも複雑な構造になっていて、なかなかに面倒くさい。慣れてしまえばさほどのこともないのかもしれないが、こちとら、表示板だけが頼りだ。
ようやく京浜東北線に乗り再び某原稿を取り出すことになる。隣りに座っているオバハンはなに読んでんの?と、いやらしく目線を移動すると、なにやらサブカル系の評論本のようだ。『ニューロマンサー』となんとかという小見出しが目に入る。へー、なんだか面白そうな本を読んでいるなあと感じる。
ところが正直なところを申し上げておけば、サイバーパンクの元祖とも言われる『ニューロマンサー』を昔読み始めたのだけれど、途中でいやになって放り出してしまっている。ハハハハ。『ニューロマンサー』の映画化の話はしょっちゅう出てきては消えていくわけであるけれど、あるとき、かのCRIMSONがその音楽を担当するという噂が流れたことがあった。CRIMSON信者として、それじゃあ読んでおこうかと遅ればせながら手に取ったわけだ。ところが、翻訳の文章との相性が悪かったのか、30Pも読んでいたらいやになっちゃったのである。これだったら、『攻殻機動隊』のアニメを観ていた方が面白いじゃないかと思ってしまったものだ、以来、『ニューロマンサー』には引け目しか感じていない。そのうち、我が家のどこかに転がっている文庫本を探そうかな。
上野で山手線に乗り換えて御徒町で降り、かさをさしながら会社へと坂をトボトボ上っていくことになった。会社に着いたら11:00を過ぎたところである。さすがに腹が減ってきた。

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