風塵社的業務日誌

日本で下から258番目に大きな出版社の日常業務案内(風塵社非公認ブログ)

深大寺へ(続き)

2015年06月23日 | 出版
お昼時、どこのお店も混み始めている。どの店がいいのか探すのも面倒なので、目の前にあったそば屋に入る。そこでそばとお銚子を1本頼むことになる。Aさんに勧めようとしたら、「いや、俺は」とのことで、小生一人でぬる燗をいただく。理由があるのかどうか知らないが、そば屋で飲む日本酒はうまい。
昼食後、バス停の方に歩いていったら、ゲゲゲの鬼太郎の顔ハメ看板があった。水木しげる氏は調布在住で、『ゲゲゲの女房』が人気を博したとき、水木しげるゆかりのものが調布のあちこちに設置されたそうだ。顔ハメを出しているお店も鬼太郎茶屋で、あちこちに「鬼太郎」に登場するキャラの絵が描かれていた。
我々は悪ノリして、顔ハメに交互に顔を入れて、何枚か写真を撮ることにする。はしゃいでいる我々の様子を見て、通りかかったガキが「バカじゃねえの」なんて顔をしているが、そんなことは関係ない。妻が最後に撮影した1枚はなかなか面白いので、会社に貼っておくことにしよう。
Aさんとはバス停で別れ、腹巻夫妻は湯守の里という温泉施設に向かう。こっちの方向じゃないの?と歩き出してみたけど、土地勘がないので数十歩も歩いたら不安に襲われる。一度バス停にもどり、方角を確認し直して、もと来た道をまたもどる。急な坂を下ったら、その左側に目指す温泉があった。
タオルセットと館内着付きで1200円なのだから、ずいぶんと安いものだ。ありがたい。しかもここは、東京の本当の温泉なのでお湯が黒い。「本当の温泉」というのも妙な表現であるけど、地下深く何千メートルも掘って無理やりに温泉にしたものではない、という意である。
なんて偉そうに書いてみたものの、小生の場合、ゆっくり湯船に浸かっているのはあまり得意ではないのだ。なので、少し湯船に入ったら、あとはサウナにまっしぐらということになる。それならば、「本当」だ「無理やり」だなんて議論することに意味がないことになる。
でも、東京の(というか関東の)黒いお湯に久しぶりに入れて、本物感を味わえたのは一応喜びとしておこう。ついでに、ここにも電気風呂があった。名古屋の銭湯では珍しくないが、お湯の間に電流が流れていて、そこに浸かるとビリビリしびれるというやつである。そこに入ってみたら、まだ酒が残っているせいか、心臓がヘンな動きをしそうだ。こりゃヤバイと、すぐに出ることになる。
その施設の二階に休憩室があり、風呂から出て妻とそこで合流。どういう事情があるのか知らないが、お客さんには若い女性が多いようだ。パワースポットとかなんとかで、人気の場所なのかしら。それとも、いまどきの女の子はしぶい温泉が好きなのかしら。
施設の一階には足湯もあったので、妻と試してみることにする。お湯の色が白かったので、バスクリンでも入れているのかな。水温も低くて悪くはないんだけど、やぶ蚊が多いんでやんの。こりゃたまらないと、早々に足湯は退散することにした。小生、人間には嫌われるけど、蚊には好かれるタイプなんだよね。
湯守の里を辞してから、再び深大寺にもどる。それまでしっかり見物していなかったので、ブラブラと店先をのぞくことになる。そうしたら、そばまんじゅうなるものが目に留まった。そば、まんじゅう、なんねそりゃ?そばっちゃあ、ズルズルッとすするもんに決まっとうやないと?というのが、信州の山猿の硬直しきった第一感になってしまう。
ものは試しと妻に高菜入りというのを買ってもらった。実はこの高菜入りというのも気に入らない。そばっちゃ信州のものやけんね、なして九州の高菜ば入っとうとや、というわけだ。そこで食してみたら、生地はフワフワしていてまったくそばっぽくはない。しかも、高菜が野沢菜のように感じてしまう。美味しいんだけれど、そば感はない。不思議な食い物だなあというのが正直な感想だ。
そのお店にはそばバーガーなるものも販売していた。妻にねだって、これも食してみることにする。厚い鉄板に円形のくぼみがあり、そこにゆでたそばを入れてから重しを乗せて固める。それを熱すればバーガーのパンの代わりとなる。その間に油揚げをはさめば、キツネそばバーガーの出来上がりだ。こういう食べ方も初めてである。なかなか美味しい。油揚げの甘みが広がるので、七味でもかけたいところだ。
妻に味を聞いてみたところ、「さっき食べたそばでまだお腹がいっぱいなんだよねえ」とのこと。なんや、この根性なしが、と腹の中では思っても口にするのはやめておく。そこで妻の分までそばバーガーをいただき、小生はすっかり満足することとなった。
その後、まだ足を運んでいなかった神代植物公園の水生植物コーナーに行ってみるかとなる。ここは植物公園から少し飛び地になっていて、入場は無料のようだ。そこには深大寺城址があったので、小生の足はそこに一直線に向かうことになる。まさに、××と煙は高いところにのぼるの格言どおりである。
そこを楽しんだあと再び深大寺前のバス停にもどり、それから帰路についた。これが失礼な表現であることは重々承知のうえなのだけれど、調布にまさかこんなに楽しいところがあるとはつゆも知らなかった。とにもかくにも、Aさんには深くお礼を申し述べておこう。

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