風塵社的業務日誌

日本で下から258番目に大きな出版社の日常業務案内(風塵社非公認ブログ)

しらふで寝る

2017年12月06日 | 出版
いまだ年越し大作戦のめどが立たず、消化器系の調子が悪くなってきた。小生の場合、胃痛よりも下痢が止まらなくなるタイプである。しかしあるとき、資金繰りがどうしようもなくなってしまい、胃が口から出てきそうな感じを味わったことがある。それもある年の年末であった。そのときは他社の倒産に引っかかってしまい、こちらとしては他に手の打ちようもないという状態に陥っていた。かといってほかのことはまったく手につかないから、会社に来ては毎日ネットゲームばかりやっている。ようやく15:00を迎え会社の存続を確かめては安堵のため息というどうしようもない日々が続いた。
現在の苦労はそのころのものを多大に引きずっており、いまだに会社がスムーズに回らない。そのためここ数年、6月と12月の年に2回、必ず資金ショートを引き起こしている。過去において、そこをいかにくぐり抜けてきたのか、すっかり忘れてしまっている。というか、思い出したくないのだろう。フロイト的に言えば抑圧である。そして不思議なことに、直面している資金繰りの苦労とは別に、その6月と12月にはろくでもない事件が多々発生しがちであった。なんとも、はや。
おととしの年末は某某事件が起こり、昨年は某所から内容証明が届きとここ2年、年末に法律事案が連続したのだけれど、本年はまだそういう事件は生じていない。この先なにもなく正月を迎えたいものだが、その前に資金繰りをなんとかしなければならない。はぁ、やれやれ。先述とはちがう意味でのため息しか出てこない。大腸の調子が悪いのもむべなるべし、といったところだ。
そこで某日、酒を飲むのをやめて、とっとと帰宅することにした。そして風呂に入って布団にもぐりこむ。しらふのままで眠れるのかなあと、いささか不安になる。一方で、酒を飲まずに朝を迎えられたら、小生はまだアル中ではないんだなと、期待で小さな胸をふくらます(わけがない)。ちなみに、いま慣用句として「布団」という単語を使用したのだけれど、掛け布団はまだ毛布のままである。押入れの奥から布団を引っ張り出すのが面倒くさいし、毛布の下にタオルケット2枚を敷き、敷布団の下にうすいマットを敷いたら、それだけで十二分に暖かい。敷布団の下をヨガマットにしたら、暑すぎて寝苦しいくらいだ。小生の身体は寒冷地仕様にできているので、春まで毛布とタオルケット2枚でごまかせないかなあと考えてしまう。
そして、眠ろうとするのだけれど、やはりなかなか寝付けない。起き出して本を読もうかとも考えるのだが、布団から出ればそのまんま家も出てコンビニに向かい、なんらかのアルコールを買うにちがいないと、わが行動は手に取るようにわかる。そこで、「諭吉が1枚、諭吉が2枚……」と数えてみることにした。しかしそれでもなかなか寝つけない。困ったなあ。ウ~ン、どうしようかと考えているうちに、ピピピッと枕もとの目覚ましがうるさい。いつの間にか寝入って朝を迎えていたというわけだ。なんとも心身ともに健康的な己であることよ、とわが能天気ぶりに感心してしまった。
1週間ぶりぐらいだろうか、久しぶりにジョギングで会社に向かうことにする。さすがに空気が冷たくなってきたけれど、快晴であるうえ風もないので、しばらくしたら汗ばんでくる。すると、池袋の登山グッズ店がコンビニに替わる工事をしているのには驚いた。どこもかしこもコンビニだらけ。ということはつまり、独立系の中小規模の商店は軒並み立ち行かない状況にあるということである。その代わりに、どこに行っても全国チェーンのお店ばかりが展開していることになる。つまんない街並みばかりが、日本各地に広がっているということだ。もう久しく福岡には行っていないし、行く用事もないのだけれど、もしもいま行ったら、街の様子に辟易することだろう。そこはリトル東京(しかも、しょぼい)のはずに決まっているからだ。
そんなことを考える前に、次の新刊『クロンシュタット叛乱』のオビ文を考えなければならない。ところが、なかなか名文が思いつかない。本線は「革命とは見果てぬ夢なのか?」なのだが、その「見果てぬ夢」がなんとも気に入らない。そこをどうするのかをここ数日考えているけれど、アイディアがまったく思い浮かんでこない。弱った。別の言葉に置き換えたいのに、「見果てぬ夢」の類語が思いつかない。Y印刷に入れないタイムリミットも近づいている。このままで進めるしかないのだろうか。
オビに入れる『マフノ叛乱軍史』のコピーは、「ウクライナを疾駆した幻の無政府主義軍団のすべて」を「ウクライナを疾駆した幻の無政府主義軍団の全貌が明らかに」に変更することにした。しかし、1丁目1番地のコピーが出てこない。旧友のS氏にはコピーのうまさがうまいとの定評がある。ところがそのS氏曰く「いやあ、書名をつけるのが苦手なんだよ」げな。その両方が苦手(苦手なものはさらにいっぱい)な小生はどうすりゃいいのという気分であるけれど、とにかくなんらかの決断を下さなければならない。そこでよくよく考えてみれば、「革命とは見果てぬ夢なのか?」も悪くはないなあと思い始めてきた。

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