風塵社的業務日誌

日本で下から258番目に大きな出版社の日常業務案内(風塵社非公認ブログ)

ICレコーダ

2017年12月14日 | 出版
年末だあ~。困ったなあ。年越しのメドがさっぱり立たない。どうしたものか。その金がクソない状態というのに、飲み会だけはお誘いがかかる。本当は行きたくないのだけれど、これも浮世の義理である。出席しないわけにはいかないのだ。12月某日、土日月と三連荘で飲み会が続くことになった。その初日は、酒を飲む前に都内某所新宿の某喫茶店で某氏とE氏と落ち合い、某氏に某ミニコミ掲載記事の件でインタビューさせてもらい、それが終わったころにS氏とD氏も合流してどこか適当なお店で酒を飲むという段取りになっていた。
ところが肝心の某氏の口が重い。しかもなかなか気難しげな方である。こちらの内心では困ったなあと考えつつ、思いつく限りの質問をぶつけることになる。その間1時間半ほどだっただろうか。狭いテーブル席でちょこまかメモを取りつつ、このくらい話してもらえれば6000字くらいの原稿はなんとかまとまるだろうという程度のお話にはなったかなと判断することにした。終わったころにちょうどS氏とD氏も姿を現わし、ションベン横丁へと移動することになる。E氏には、ション横に入る手前の某店を指差し、「ここだよね」と某確認をしておく。そして楽しく飲んで帰宅することになった。
翌日曜日は鶯谷に15:30集合し、某氏の法事へと向かい、その後は集まった悪党どもと飲み屋へ入る。総勢9名中、全員が逮捕経験者(よかった~、小生もワッパはめられたことがあって)、前科持ち6名(?)というのだから、このジジババを悪党と呼んでも差し支えのないことだろう。そして飲んでいるときの話題も、某氏逮捕の件と、別の某氏の獄中歯科治療の件である。どうしてそういう場に小生がいるのだろうか、不思議だ。その別の某氏については、小生も手紙をもらったまま放置しっぱなしなので、その場の話をまとめて小生が手紙を書くことにしておいた。そして楽しく飲んで帰宅することになる。しかし、こういう悪党どもとつるんでいても、会社の問題が好転するわけがない。
そして翌月曜日。某法律事務所で某会の忘年会という予定になっている。その前に仕事をしなければならないが、土曜日のインタビューのまとめも始めないといけない。PCを立ち上げてバッグからICレコーダを取り出し、音声データをPC内にコピーしようとした。ところが、レコーダにデータが入っていないのだ。
こりゃまた晴天の霹靂。ゴゴーンと雷鳴が脳内に響き渡り、冷や汗が走る。いやあ、まいったなあと感じたら、胃のあたりが急に重くなってきた。資金繰りの算段どうするよという状態にあるのに、さらなる厄介を背負い込みそうだ。さっき見たものがおのれの錯覚であることを念じつつ、再びICレコーダ内を探してみるものの、どこにも音声データが見当たらない。アチャ~、録音を止めるときにデータまで消しちゃったのか、それともそもそも録音ボタンを押していなかったのかと考えるものの、その原因を追究してもデータが登場してくれるわけではないのだ。
その現実を前にすると、ただただ茫然とただずむしかない。だがしかし、そんな悠長なことを言っていられる状況にはない、現実に向き合えと、自分に発破をかける。以前にも、インタビューしたのに録音しそこねたことは複数回あったのだ。なにごとも、逆境時の経験がおのれを強くする。しかしこうなると、仕事なんかそっちのけである。とにかく、メモと記憶を元に、その場での発言内容を文章に再現しなければならない。夕方までかけてひたすら作文に励むことになる。そして大筋の話は再現して書いたつもりであるものの、字数は3000字ほどだ。目標の半分にすぎない。いやあ、これは困ったなあどうしようかと思案をめぐらす。そうだ、どうせこのあとの忘年会にはE氏も来るのだから、E氏に話の細部をふくらますべくご協力をお願いしようと、あわてて某法律事務所へと向かうことにした。
しかし、胃の重苦しさが歩くたびに増してくるような気がする。定刻に少し遅れてその事務所に到着した。すると、まだ会議のようなことをしている。そこで小生は、某議題の提案をしなければならない立場であった。ところが話し始めようとしたら、胃が口から出てきそうになり、H氏にその説明をお願いすることにした。ウ~ム、われながら情けないけれど、飲む前から吐くわけにもいかないだろう。ようやく会議めいたことが終わったので、E氏を捕まえて事情説明。そして、後日、弊社までご来社いただき、話をふくらませるべく協力してもらいたい旨を述べて、ご了承してもらった。それでようやく気持ちも鎮まり、あとは楽しく酒を飲む。
そして後日、E氏ご来社。のっけから曰く「だいたい、インタビューの依頼をしたとき、腹巻くんはすでに酔っ払っていたでしょ」曰く「それに話の聞き方も強引にすぐ本題に入ろうとするんだから、まずはどういうことをお話されたいんですかって相手に聞かないと、某氏も話すに話せないでしょ」曰く「腹巻くんは某氏と初めて会うようなものなんだから、事前に、私はこういう者でして、こういう話をうかがいたいんですって資料を渡すとかなんとかしなかったの?」
うるせえぞ、胃が苦しくなるだけではないか。

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