風塵社的業務日誌

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池袋へ(映画を観に?)

2017年11月13日 | 出版
日曜日。久しぶりに映画でも観にいこうかと考える。お昼の囲碁の対局を愉しんだあと、「『ブレードランナー』の新作でも観にいかない?」と妻に言うと、「そんなの一人で行ってきて。わけわかんなそうだし、怖そうな映画なんて観たくない」の一言。小生にしても、妻と映画を観にいきたいのではない。実は、チケット代を妻に払わせようという魂胆だけなのだから、断られたのならばそれはそれでよろしいということになる。
そこで妻が「どの映画館で上映しているのか知ってるの?」とたずねるから、「知らない」と答える。「そんなもん、街中に出ればどっかの映画館でやっているだろ」と小生がぞんざいに説明すると、こんなアホは初めて見たという表情をしてから、妻は一応スマホで検索してくれた。そして、「池袋だったらシネマサンシャインみたいだよ」と教えてくれる。「シネマサンシャインって、サンシャイン通りの左側だっけ?」とたずねれば、そう、とのこと。客の入りも悪いと聞いていることだし、ビールでも飲みながらゆったりと久しぶりに『ブレードランナー』の世界にでも浸ろうかなあと、勇躍池袋へと歩き始めた。
ところで、いまごろになってどうして『ブレードランナー』の新作を観ようと思い立ったのかといえば、そもそもが、最近ハリウッドで流行っている続きものという流れがそれほど好きではない。ハリウッドがネタ切れを起こしていることを如実に示しているだけのことであり、それに付き合おうなどという意欲は小生にはさらさらない。そして、『2049』を観たというTさんにその感想を聞いてみたら、ものすごく微妙な言い回し(どんな言い回しやねん?)をされていた。そのため、昔観た『ブレードランナー』のイメージが台なしになるようなものにお金を出したくないなあ、という気分に陥っていたわけである。
つまり、ガキのころ見た夢を壊されるよりも、そのままそっとしておいた方がいいのじゃないのか、という判断も生じるわけである。ところが、F社社長もJ社社長も口をそろえて絶賛の嵐。J社社長など、2回も観にいったそうだ。そしてF社社長と話をしていたら、「最初の『ブレードランナー』も観ていて全然わからなかったじゃん。今回も観始めてしばらくはまったくわからないよ」とのこと。おおっ、久しぶりにわけのわからん映画を観るのもいいじゃないか、とついに決意を固めることになった。
そこでつくづく思うに、小生は映画好きではないのだ。活字中毒ではあるけれど、映像にしばらく接していなくてもさほどの禁断症状は起きてこない。そのため、映画館に足を運ぶという行為は、少しばかりハードルが高いところがある。しかも本ならば、読んでみてまったく理解できなかったとしても、いつの日にか再読してみたら、もしかしたら理解できるのかもしれないという期待を込めて、本棚の奥に放り込んでおくことができる(CDも同じこと)。ところが映画の場合、観ていてつまんなかったら、その場で寝るしかないわけだ。ゴダールの映画でこれまでどれほど寝てきたことか。
そして池袋にたどり着いた。駅の地下にあるチケットショップで、安売り券を買おうとする。貼りだされているチケットを見てみるが、『ブレードランナー』のものは見当たらない。しかし、シネマサンシャインの共通券(1500円)なるものは販売されていたので、それを購入しサンシャイン通りへと向かう。歩きながら考えてしまう。最近、座席指定がなんやらかんやらとチケットを買うときに面倒くさい。この安売り共通券の場合、どうすればいいのだろうか。まっすぐ上映階のフロアに行く前に、まずは1階のチケット売り場にいかないとしょうがないんだろうなあ。
そうこうするうちに、シネマサンシャインの前にたどり着く。ところが、どこをどう見渡しても『ブレードランナー』の表示なんてない。
「あれ~、不入りでもう打ち切られちゃったのかなあ」というのが第一感であった。その場に呆然とたたずみつつ、「もしかして、妻が間違っているのではないのだろうか」と思い直し、その少し先にあるヒューマックスシネマまで歩いてみた。すると、『ブレードランナー』の上映館はそちらなのだ。おいおい、シネマサンシャインのチケットを買っちゃったばかりだよ。こりゃどないすんねん。
考えることしばし。とりあえずは上映時間を確認しようと、チケット売り場の横に表示されている上映スケジュールを確認することにした。すると、次の上映時間は19:00くらいのスタートで、終わりは21:00くらいのようだ。はあ?再度、目が点になる。現在、15:00過ぎくらいである。ところが、その間に別の映画の上映が入っていて、目的の『ブレードランナー2049』の上映には19:00くらいまで待たなければならないようだ。さすがにそこまでは待てないなあと、引き返すことになる。そして、スゴスゴもと来た道をたどりつつ、くだんのチケットショップで返品をお願いせざるをえない。
お店の人には悪いことをしたなあと思いつつも、結局、こちらは一つも映画を観ていないのだ。したがって、『2049』を観ようという意欲が一気に低下してしまったのもやむをえないことだろう。

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