風塵社的業務日誌

日本で下から258番目に大きな出版社の日常業務案内(風塵社非公認ブログ)

初荷

2010年01月05日 | 出版
本日から仕事始めという会社が多いのだろう。しかし、国内少数派を自称する弊社にとって、まったく関係のない話ではある。ところが本日は、小生も朝から気合が入っている。久しぶりに背広を着て出社することにする。
書店回り以外で背広を着ることはめったになく、しかも、クリーニング代がアホらしいと思うと、さらに着ようなんて意欲がわいてこなくなるのであるが、今日だけは背広を着ていたほうがいいようなことがあるのだ。新年のあいさつでお得意さんを回るわけではないのだけれど、冷静に考えて、普通のリーマンっぽい格好に埋没した方が無難なときもあるのだ。
そういうわけで気合が入りすぎていたのか、5:00には目が覚めてしまう。妙に生温く、冬場には珍しい朝だ。さっそくコーヒーを入れていると、外に新聞の届く音がする。コーヒーを飲みながら新聞を眺める。
いつも、朝日の「経済気象台」のコーナーには目を通すようにしていて、読むたびに毎度毎度思うのであるが、それなりの正論なのではあるのに、結論として一番重要な実践策がまったく見当たらず、じゃあ、いったいどうしろっていうことなのかと不思議な感じにとらわれることが多い。本日も、成長神話の時代は終わっているので、「不況を前提とした現実的で抜本的な取り組み」の必要性が訴えられていた。しかし、その「抜本的な取り組み」って、なによ?と疑問に感じてしまう。短いコラムでそこまで展開することは土台無理な話とはいえ、まるでオチのない落語を聞かされているのに近い。
確かこのコラムは、それなりに著名な経済学者が覆面で書いているはずであるが、どうせ短いのならば、提言的なことよりも分析に力点を置いてもらったほうが、ビジネスパーソン諸氏の実生活のうえに役立つことだろう。さらに、こうすれば儲かりますよと高所からご指南いただければ、一層ありがたい。
ということで、7:30過ぎに家を出て会社に向かう。昨夜は雨が降ったらしく、路面が濡れている。年末年始、全国的には荒れ模様だったようだが、関東はずっと冬晴れが続いていたので、久しぶりの雨だったのだろう。どおりで今朝はモワッと生暖かったわけだ。年末年始に少し走りすぎたのか、ひざが少し重くなっている。それで昨日はジョギングの通勤をやめて電車で会社に行ったのであるが、本日は背広なので、当然ながら走るわけがない。8:30出社。
今日からP舎も仕事始かと思っていたら、そうでもないようだ。だ~れも来ない。こまったなあ、本日は返品日なので、そうなると会社を出るわけにいかない。なんともじれったい気分でイライラしていると、大阪屋さんからの初荷が届く。まったくもってうれしくない。だれも頼んどらんわい。ふざんけんな、ボケ!と配達のおじさんに当たってもしょうがないので、おとなしく受け取っておく。クソッ。
結局、返品を持ってきたのは大阪屋だけ。新年早々、なんとも律儀な取次で、こちらはウンザリしてしまう。11:30を回り、さすがにもうどこも返品を持ってこないだろうと判断し、会社を出ることにする。まずは昼飯。久しぶりに博多ラーメンを食べて気合を入れてから、都内某所へと向かう。ところが本日は、気合だけが空回りしたような、多分に事務的な話であった。
しかし、すぐに必要書類をそろえないといけない。1日の遅れが死を招くのだ。しかしその前に、M印刷さんからの仕事をやっつけてしまわないと納期に間に合わなくなる。こりゃ、時間がなくてまいったなあと頭を抱えながら社にもどる。こんなことをやっていては、『レッスル・カルチャー』を入稿できないではないか。まだ用紙の発注もしていない。ああ、E堂製本にも発注を出さないといけなかった。
社にもどり、とにかくM印刷さんの仕事に集中する。そこにY印刷の神様ことY氏から電話。「きさん!年明けに入稿する言うとったデータ、まだ来とらんとたい!機械ば空けて待っとうとに、どげんなっとぅとや!」。越後・長岡の印刷所がどうして博多弁で恫喝をかけてくるのかは理解しがたいが、とにかくこちらは、「すみません、すみません。わかってます。なんとか早くします」と小さな声でひたすら弁解する。まるでヤミ金に追われている零細事業主のようだ。
そこで再び、M印刷さんからの仕事。途中、P舎宛に年始の挨拶に見えられる業者さんがたびたび訪れる。そのたびに作業が中断するので、段々イライラし始めてくる。ようやく終わりが見えてきたころにM印刷Sさんから電話。「例のやつ、どうですか?」。さすがに東京の印刷所は口調が穏やかで洗練されている。「いやあ、ごめんなさい。明日まで待ってもらえますか」「じゃあ、明日お願いします」。
17:00、ようやく作業が終了。さてさて、とりあえずは呆けることにするか。緊張状態をいつまでも持続していたら死んでしまう。ということでようやく囲碁に遊ぶ。ひとしきり呆けてから、ようやく次の作業。まずは○○書のコピー。ついで、○○書を作成しないといけない。これが大変なのだ。まあ、とにかくがんばろう。


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