風塵社的業務日誌

日本で下から258番目に大きな出版社の日常業務案内(風塵社非公認ブログ)

三社詣で

2010年01月04日 | 出版
正月を迎えたけれど、特に目出度いと感じることもなく、ひたすら資金繰りに悶々と過ごす。妻によると、寝言でも「金が足りない」と嘆いていたらしい。なんともはや、小生の苦衷がしのばれるうるわしいエピソードだ。そんなわけで、正月を迎えても何をするということもなく、くだらねえお節番組を見ながらただ単に酒を飲む。芸人のつまんねえお笑いを見ているよりも、NHKの「映像散歩」のような番組を延々と流してくれる方が、よっぽどマシである。
しかし、そういう生活には飽きが来るもので、1月3日は、日本橋三越で行われている「アンコールワット展」を見に行くことにする。飯田橋で乗り換え、12:00前に日本橋に出てみると、そこは人、人、人。なんだろうと思ったら、おじさんが近寄ってきて、読売新聞の箱根駅伝の旗を手渡された。
妻がいつくらいにランナーが来るんですかとそのおじさんに質問すると、13:30くらいじゃないかという答え。そこで、先に三越に見に行くことにする。小生、別に駅伝に興味があるわけではない(そもそも、ショー化された学生スポーツというものが気に入らない)が、せっかくその場に居合わせたのだから、見ても損はないだろうくらいのところだ。
ということで、まずは三越へと急ぐ。どういう理由か知らないが、この展示のタダ券が手元にあり、それで見に行く気になったわけである。予想外に(失礼!)観覧客が多いが、週末の美術館ほどではない。8~12世紀の仏像を中心に展示されていて、正月から仏像を眺めると心が洗われる気持がする(まったくのウソ)。磨かれて、見た目にはツヤツヤの仏像でも、材質が砂岩と表記されていた。これまで砂岩ってボロボロだから少しバカにしていたけれど、磨けばつやが出るのだと初めて知った。
インドやシルクロードの仏像と違い、鼻ペチャのものが多く、そこになんとなく親しみを感じてしまう。また、極彩色の世界だろうと勝手に想像していたが、石像なので単体で置かれていると落ち着いた雰囲気である。ついでに、エロティックなものも期待していたのだが、これはまったくあてがはずれてしまい、それっぽいのはリンガの石像があったくらいだった。
あー、面白かった。金さえあれば、カンボジアでもベトナムでも行ってみたいなあと思いながら外に出てみると、来たときよりも数段に人が増えている。箱根駅伝の応援なんてこれまで行ったことがなかったが、こんなに人が集まっているんだとビックリしてしまった。われわれは、人をかき分けながら日本橋のたもとまで移動。ちょうどビルの壁面にオーロラスクリーンのテレビがあり、箱根駅伝の中継を行っている。それを見ながら、選手の位置を確認し、到着を待つことにした。
30分ほど待っていると、1位のランナーが通過。といっても、ガードレールに張り付いて応援している人の頭越しに、ようやくその姿がチラッと見えただけ。頭上では中継のヘリコプターが旋回している。落ちてこなければいいなあと、ついつい杞憂をしてしまう。2位を待っている間に、オーロラスクリーンではゴールインの模様を映し出している。そのうちようやく2位が通過。その後、立て続けにランナーがやって来ては、沿道を沸かせる。いやあ、正月の日本橋から大手町がこんなに大賑わいだとはついぞ知らなかった。来年は絶対近寄らないことにしよう。
空腹を感じ始めたので、その足で神田に移動する。開いていないんじゃないかと思いつつも、神田のやぶそばに行ってみた。ところが、案の定、開いていない。4日からの営業と張り紙がされていて、妻のご機嫌が急に悪くなっていく。しょうがないから、神田明神に移動。明神前の甘酒屋さんで妻は甘酒を飲み、いささかご機嫌を直す。しかし参拝客が多いので初詣はパスすることにし、神田明神を突っ切ってから、今度は湯島天神へ。目指すは、湯島天神の梅香殿に入っているやぐ羅のニシンそばである。
ところが湯島天神に近づくと、長蛇の列が続いている。なんだろうと思ってよくよく考えてみれば、初詣の参詣客なのだ。5列縦隊が1キロ弱ほど連なっている。当然ながら、参詣する意欲などまったくなくなってしまい、その脇を通ってニシンそば屋さんまで。受験生の祈願が多いのかもしれないが、湯島天神は、所詮、太宰府天満宮の分社に過ぎない。それほど霊験あらたかなわけがないのだ。やぐ羅も混んでいて、奥座敷の方に通される。まずはお銚子を注文するが、なかなか出てきそうにないので、どうしてもイラついてしまう。嗚呼、余は小人也。
ようやくニシンそばと熱燗にありつけて満足してから、今度はラクーアに向かうことにする。後楽園駅から地下鉄に乗れば、160円で帰宅できるのだ。根津神社に立ち寄る体力があるわけがない。ついつい会社に寄っていこうかと思ってしまうが、妻と一緒なのでやめておく。何を言われるかわかったものではないだろう。しかし、日本橋から本郷まで歩いてみれば、「本郷も かねやすまでは 江戸のうち」(かねやすは、現在本郷3丁目の角に建つビルの名前。江戸時代から続いている)と呟きたくなるものだ。ついでに、本郷3丁目の櫻木神社(小さな神社)に立ち寄り、ラクーアへ。そこで丸の内線に乗り17:00頃帰宅。あとは酒を飲んで爆睡。こうして2010年の正月は終わったのであった。

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講談社

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