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『 トルーマン・カポーティ 』 上・下巻  ジョージ・プリンプトン

2020-05-24 23:10:45 | 

 

1924年ルイジアナ州ニューオーリンズに生まれた トルーマンカポーティは 幼くしてアラバマの片田舎の母親の従兄妹に預けられます。

隣に住んでいたのが 後に『アラバマ物語』を書いた ハーバー・リー で 二人は幼馴染でした。

9才のころ 再婚した母親の住むニューヨークに引き取られる。カポーティは母親の再婚相手の名前です。キューバ人でした。

20才そこそこにして 『ミリアム』で O・ヘンリー賞を受賞。優れた短編で同賞を三回も受賞。

『ティファニーで朝食を』や 『遠い声 遠い部屋』で 名声を確実にします。

 

この本は 体当たり取材で有名な ジョージ・プリンプトンの172人にも及ぶ カポーティゆかりの人たちへのインタビュー集です。

 

上巻は カポーティの名を不動にした 『冷血』に拘わるもの。

下巻は 1966年、世紀の舞踏会と呼ばれた カポーティ主宰の  ”黒と白の舞踏会” について、そして 未完のまま発刊された『叶えられた祈り』における上流社会のスキャンダルの暴露、それによる孤立。

酒とドラッグと薬に溺れ 59才で友人宅で死去。彼は同性愛者として有名でした。35年にわたった配偶者の死後の二人一緒の埋葬まで記されています。

 

身長160センチ、若いころは妖精のようだったと誰もが語ります。

話を盛るのがだんだんすごくなり どこからが嘘でどこからが本当なのかわからなくなるとか。

自分勝手のエゴイストなのに なぜか皆に愛され、社交界の人気者になるが 『叶えられた祈り』で タブーを犯し、失意のうちに薬物死します。

 

そういえば 『冷血』の取材に同行し、献身的に協力した 幼馴染の ハーバー・リー へのインタビューがありません。

彼女は故郷に帰り 長生きしましたが、人と会うのを極端に避けていたそうです。

『アラバマ物語』には カポーティの手が入っているという説もあるのです。

 

ここ二か月半でほぼ読了、 著作数もほどほどで このコロナ禍を カポーティで明け暮れました。

カポーティの本を勧めてくれた ちかこちゃんとも もうすぐ 会って 彼について語り合えるでしょう。

 

 

      by  風呼     

 

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