ブルガリアは黒海に面したバルカン半島にあります。
南はトルコ。
500年以上も オスマン帝国の支配下にありました。
トルコ人には今も恨みを持ち続けています。
旅行中のトルコ人一家が スキンヘッドのネオナチに襲われます。
偶然、止めに入った主人公が イツォ、38才、 国立の美大を卒業したものの しがない一木工です。
ソフィアの夜明け
薬物依存症を治療中
代わりに酒に頼っている
朝 起きたら先ずビール
昼飯も先ず ビール
チキンスープとパン3切れ
どうしようもない奴さ
俺は
どうしようもない俺が
ネオナチに襲われた
トルコ人一家を助けた
なんてこった
17才の俺の弟が
ネオナチデビューしてやがった
俺と同じように
腕に入れたばかりのtattoo
消せない過去。
トルコ人の娘が言う
世界も人も病んでいる
自分は癒しの人に出会った
そういう人が必ずいる
夜明けのソフィアの道
ひとりの老人に出会った
老人の部屋は安らぎ
俺は無垢な子供に還る
俺も癒しの人に出会った
彼女にそう伝えたい
トルコに会いに行って
ブルガリアの映画制作本数は 年間7,8本だそうです。
監督のカメン・カレフは フランスの国立映画学校を卒業して 短編映画を製作、
この『ソフィアの夜明け』は 初の長編映画だそうです。
ブルガリアに帰国後、 久しぶりに会った 主人公イツォ役の フリスト・フリストフにインスピレーションを得て この映画の製作を思いついたそうです。
多少の脚色はありますが イツォは フリストそのもの。
主役は本人が演じました。
ブルガリアは 第二次大戦後 社会主義国家としての道を歩みますが 1989年以降 民主化が進み 現在は議会民主主義の共和国だそうです。
人口800万人、 ブルガリアの西に位置するソフィアは 人口109万人です。
主人公は 市の中央の社会主義時代に建てられた 高層集合住宅から 郊外の木工工場へと バスで通います。
ポスターや 予告編は そのバスの中です。
都心の集合住宅の隣は 広大な原っぱ、 ビル建設予定地なのですが 予定はたっていません。
暴動が ソフィアのあちこちで起こります。
そのあちこちでも暴れる ネオナチもどきには しかるべき所から お金が出ています。
個人の力ではどうしようもない 虚無感を覚えたことのある人には ひしひしとその時の寂寥感が甦ってくる 映画です。
17才の弟は 再婚した父の相手 胸も太ももも大きく露出させた義理の母のいる家を出て、イツォのもとに転がり込み ネオナチとも縁を切ります。
映画が終わっても 照明が点くまで 誰も席を立つ人はありませんでした。
照明が点くと どこからか 拍手が聞こえてきました。
最後列の サザエさんのお父さん(波平さん)のような初老の方が ハンカチで涙をふいておられました。
私も目を潤ませながら 拍手をしていました。
イツォを演じられた俳優さんは 撮影終了直前に 薬物過剰摂取で亡くなりました。
未撮影のシーンには カメラテストで撮った映像が使われたそうです。
風呼r でした
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