今日のBS2の 「週間ブックレビュー」のゲストは 9月に『明るい方へ』を上梓された 太田治子さんでした。
父太宰治と 母太田静子との 小説『斜陽』 に於ける関係を 淡々と語られました。
林芙美子伝『石の花』 を書いたことで やっと父太宰に向き合えるようになった、 太宰の死後 60年もかかった。
それは大変に辛い作業で 一人娘さんに 「ママ、みんな一人よ、 太宰だって 太田静子だって みんな一人、 他人なんだから」の言葉に どんなに勇気づけられ励まされたかと 話されました。
芸術至上主義のお母様だったから 『斜陽』という作品にご自分が大きく係わっているのを 大変に誇りに思っていらっしゃった。
『斜陽』は 殆どがお母様の日記で 絵画でいうなら 最後の一筆が太宰だった。
『グッドバイ』の執筆途中で心中したのは 太宰はもう『斜陽』以上の作品は書けないと知ったからではないだろうか と。
太宰の死にたい病は 自分でも言っているが 選ばれし者の苦悩で 大変に傲慢だ、 こんな言葉は娘だから言える言葉だと 感じ入りました。
太宰が一人で死ねなかったのは 病弱な母親に6男の自分は構ってもらった記憶がない、 女性に無条件に愛されたいという 願望の顕れとも。
太田治子さんは この作品を機に 太宰治からは卒業され 創作の小説を書かれるそうです。
これからが本領発揮、 楽しみです。
面差しといい 才能といい 太宰の遺伝子はこの方が一番受け継いでいられるようです。
先日 町田市で行われた 太田治子さんの講演会に出掛けましたが 実際に目の当たりにして ますますそう思いました。
講演の模様は 12月6日(日)ラヂオ第二放送 夜9時~10時 に放送されるそうです。
風呼r でした
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