年賀状を書くこの季節になると いつも思い出す 彼女の事。
最後の年賀状 夭折した君に
君からの最後の年賀状は 大学受験の年で
”近所に 音大声楽科受験の 双子がいて 毎日 アアアーって うるさくって” の文面。
にも拘わらず 君は難関志望校全勝。
一つくらい分けて欲しかった。
入学してから君は 初めて人生について考えたという。
最後に会ったのは 6月だったか。 君 まだ18才。
その時集まった 高校同級生の中には 社会に出た人もいて 「今頃そんな事を考えるの?」 って 皆んな思ったっけ。
身も心も可憐だった君に 突然の自我の目覚めは 重すぎたのか。
暫くして 失踪したと君の母親から聞かされ 半年後に無縁仏となっているのが分った。
ずるずると 斜面を海へ落ちていった との 目撃者の言。
初めて聞いた君の大人口調 さまよう目線。
アクシデントだったのか 自らの意志だったのか。
次は 自分の番かも知れないと思った
足元の定まらない 青春の日。
私には いつまでも 輝く笑顔の 18才の彼女です。
風呼 でした