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バーバー ヴァイオリン協奏曲/竹澤,スラトキン&セントルイスSO

2010年03月18日 23時29分35秒 | クラシック(20世紀~)
 バーバー関連で注文してあった数枚のうちの一枚。ヴァイオリンは竹澤恭子、伴奏は先日聴いたオリヴェイラと同じくスラトキンとセントルイス響である、オリヴェイラから8年後の1994年の録音となる。ちなみにこの演奏を選んできたのかといえば、Twitter上でバーバーをあれこれつぶやいていたところ、親切な方が推薦してくれたからで、オリヴェイラとヒラリー・ハーンに加えてこれも購入したという訳だ。ああいう場所での生の声といか、忌憚のない意見というのは、建前になりがちだったり、演奏の意義面を強調しがちな、書籍やWebサイトのブログなどの意見より、ある意味「信用できる」と思っているので、今回はバーバーというほとんど未知な音楽家ということもあって、ほとんど迷わず購入してしまった。

 さて、本演奏だが、ほとんど一聴して引き込まれた。竹澤恭子というヴァオリニストは始めて聴く人だが、実に楚々とした女性らしい風情と、それでいてどことなく芯もありそうなフレージングが、バーバーの音楽と自然に溶け合っている感じで、とても魅力的だったのである。先日聴いたオリヴェイラの演奏がどちらかというとオーケストラの中にヴァイオリンがやや埋もれてしまっていたようなところがないでもなかったのだが、こちらは録音のせいもあるだろうが、やや華奢な風情とはいえ、ヴァイオリンの音色がきりりと立っていて、オケとのやりとりも丁寧だが、鋭敏さのようなものもあり、この曲が協奏曲であることも十全に感じさせてくれるところも、またよかった。
 また、8年後の再録音ということで、スラトキンとセントルイス響も熟成したのだろう、オケの響きもスケール感と深味を増している感じで、オケの見せ所である第二楽章冒頭はオなど、実に素晴らしい響きを聴かせてくれる。また、中間部あたりの竹澤のヴァイオリンは、竹澤の楚々とした中にも情熱も感じさせ、その朗々とした歌いぶりが実に胸に染みったりもする。

 また、精力的で錯綜した最終楽章では、オケとヴァイオリン共々この難曲(なのだろう、きっと)を、ファットなオーケストラ・サウンドに包まれて(スラトキンも最後で爆発といったところだろうか)、竹澤も派手ではないが、危なげのない安定感でなんなく乗り切っているという感じであり、適度な名技性という点でも楽しい演奏になっている。終盤のホットさも中々のもので、この楽章に当初感じていた座りの悪い、しかも唐突感のようなものが、この演奏ではかなり自然な感じもする(単に「慣れ」の問題かもしれないが)。
 という訳で、これはシャハム、オリヴェイラに比べると、これは一番好みのバーバーだ。ちなみに、こういう曲では当然ヒラリー・ハーンのキャラクターにも合っているだろう、最終楽章など、あの高分解能なヒラリー・ハーンがテクニック最高度に威力を発揮しそうで、今からその演奏を聴くのも楽しみにもないってきた。

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