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マンハッタン・トランスファー/クリスマス・アルバム(SACD)

2005年12月19日 22時51分08秒 | JAZZ
 こちらは昨日レビュウしたリッツのクリスマス・アルバムから3年後に発表された本家のクリスマス・アルバムだ。実は僕はこんなアルバムが出ていたことを知らないでいて、昨年の今頃、SACDのカタログをなんとはなしに眺めていて発見し、時節がらタイムリーだったことから購入したのだった。

 で、「マントラがクリスマス・アルバムが作ったらこうなるに違いない」というリッツのアルバムをマントラが聴いていたのかどうかは知らないし、仮に聴いていたとしてもどの程度意識したのかは知る由もないのだけれど、当のマントラが本当のクリスマス・アルバムが作ったら一体どうるのか?といえば、これがリッツとは全然違う仕上がりになったのだから、さすがという他はない。表面的にはバックにジョニー・マンデル編曲によるゴージャズなオーケストラをフィーチャーして、ことのほか落ち着き払った仕上がりなったという点が大きいが、この時期のマントラが時期的にほぼやるべきことやってしまった後の成熟期に差し掛かっていたということもあり、あまりジャンル横断的な試みをガツガツやるというより、オーソドックスなスタイルを踏襲しつつ、音楽の深度を高めていくみたいな時期になっていたということも無視できないと思う。

 ともあれ、1曲目の「スノーフォール」の流れるようなオーケストレーションと精緻なコーラス・ワークの組み合わせは極上のムードはまさに絶品としかいいようがない。その意味では音楽のリッチさ成熟度は昨日のリッツの比ではない。オプティミズム全開でハッピーに演奏されることの多い「レット・イット・スノウ・レット・イット・スノウ」もシックに歌われているし、大好きな「ザ・クリマスソング」もドリーミーというよりある意味枯れたアレンジとなっている。「ハブ・ユアセルフ・ア・メリー・リトルクリマス」も同様だ。ただ、アルバム全体を通して聴くと、あまりリッチで格調高すぎ、俗っぽさに欠けるような印象もある。僕のような俗っぽい人間にはちと高級過ぎるのかもしれない。

 という訳で、昨日レビュウしたリッツのアルバムとこれをミックスすると、僕の好みとしては理想ということになるかもしれない。マントラのクリスマス・アルバムといえばアカペラ・アルバムも出しているが、こちらはもっと最近の作品であり、おそらくもっと透明感を高めた、ある意味枯れきったアルバムになっているのではないだろうか?。

 ※ ちなみにラストの「グッドナイト」はビートルズのホワイト・アルバムの掉尾を飾っていたレノンの作品。こういう曲をクリスマス・アルバムにもってくるセンスはさすがだ。仕上がりも最高である。なお、音質は緻密かつシルキーな非常に上質なもの。このアルバムはCDの方も聴いてもかなり上質な音だが、滑らかさという点では明らかにワングレード上。SACDという器はヴォーカル物でも威力を発揮するということを実感した。

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