2004年のスイング・ジャーナル誌で「ニューヨーク・トリオで聴きたいベスト10」を読者から募り、そのリクエスト結果を元にレコーディングした作品。ヴィーナスにはエディ・ヒギンスによって同様の企画のアルバムが作られたりしているが、いつぞやのジャズ・ポリスではないが、どうもこういうアルバムには「どうせお仕事でやっつけたのだろう」的な警戒心を抱いてしまったりする。アルバム発売順としては「ラブ・ユー・マッドリィ」の次がこれなのに「ビギン・ザ・ビギン」を先にレビュウしたのは、ひょっとすると「チャーラップのアーティストの本音はこっちの方だろう」みたいな警戒心が無意識に現れかも知れない(笑)。ちなみにこの作品、収録は「ビギン・ザ・ビギン」と全く同じセッションだから、両者は実のところ双子のようなものであるが....。
で、肝心の選曲的だが、リクエストした人のチャーラップに対する見識の高さを物語っているのだろう、それほど日和っているものでは。「マイ・ファニー・バレンタイン」、「ラウンド・ミッドナイト」、「枯葉」、「スターダスト」といった、いかにもいかにもといった作品がないのにはほっとした(まぁ、既に取り上げてしまっている作品が既に多々あるという事情もあるか-笑)。アルバムはまずアップテンポで進む「恋人よ我に帰れ」からスタート、オスカー・ピーターソンばりにスウィンギーなプレイで実に快調である。このところバラード・プレイのチャーラップに惚れ直しているところではあるが、こういうスウィンギーなプレイももちろんいい。マイルスで有名なタイトル・チューン、そして「煙が目にしみる」はレッド・ガーランド風にエレガントなプレイをフィーチーしたバラード演奏の典型だ。「木の葉の子守歌」は切れ味を感じさせる洗練されブルージーな演奏、「アイル・ビー・シーイング・ユー」はきらめくような都会調のピアノ・ソロ、....といった具合に、全編に渡ってこのトリオらしい手練手管を過不足なく開陳していると思う(まぁ、どちからといえば本作はスロー・バラード主体の構成という気がするが)。
この作品が「ビギン・ザ・ビギン」と双子のような作品であることは、先にも書いたとおりだが、演奏のテンションや佇まいのようなものは当然ながら全く共通、リクエストだから「やっつけ仕事で済ませた」みたいなところはほとんどないのは、さすが才人チャーラップというところだろう。もちろんゴリゴリしたレオン・ハートのベース、メカニカルでモダンなビル・スチュアートのドラムスも、チャーラップのレギュラー・トリオで見せる一体感とは別の意味でのスリリングさ、ユニークさは相変わらずで楽しめるが、前回も書いたけれど、こうしたミスマッチングなおもしろさもこのアルバムでは一皮むけて、ある種の阿吽の境地に入ってきたような深化を感じさせるのもいいところだ。個人的には「マン・アイ・ラブ」の意表を突いたアップ・テンポさ、あとキース・ジャレットにはかなわないけれど、ムーディなバラードに仕立てた「星影のステラ」が良かったかな。
で、肝心の選曲的だが、リクエストした人のチャーラップに対する見識の高さを物語っているのだろう、それほど日和っているものでは。「マイ・ファニー・バレンタイン」、「ラウンド・ミッドナイト」、「枯葉」、「スターダスト」といった、いかにもいかにもといった作品がないのにはほっとした(まぁ、既に取り上げてしまっている作品が既に多々あるという事情もあるか-笑)。アルバムはまずアップテンポで進む「恋人よ我に帰れ」からスタート、オスカー・ピーターソンばりにスウィンギーなプレイで実に快調である。このところバラード・プレイのチャーラップに惚れ直しているところではあるが、こういうスウィンギーなプレイももちろんいい。マイルスで有名なタイトル・チューン、そして「煙が目にしみる」はレッド・ガーランド風にエレガントなプレイをフィーチーしたバラード演奏の典型だ。「木の葉の子守歌」は切れ味を感じさせる洗練されブルージーな演奏、「アイル・ビー・シーイング・ユー」はきらめくような都会調のピアノ・ソロ、....といった具合に、全編に渡ってこのトリオらしい手練手管を過不足なく開陳していると思う(まぁ、どちからといえば本作はスロー・バラード主体の構成という気がするが)。
この作品が「ビギン・ザ・ビギン」と双子のような作品であることは、先にも書いたとおりだが、演奏のテンションや佇まいのようなものは当然ながら全く共通、リクエストだから「やっつけ仕事で済ませた」みたいなところはほとんどないのは、さすが才人チャーラップというところだろう。もちろんゴリゴリしたレオン・ハートのベース、メカニカルでモダンなビル・スチュアートのドラムスも、チャーラップのレギュラー・トリオで見せる一体感とは別の意味でのスリリングさ、ユニークさは相変わらずで楽しめるが、前回も書いたけれど、こうしたミスマッチングなおもしろさもこのアルバムでは一皮むけて、ある種の阿吽の境地に入ってきたような深化を感じさせるのもいいところだ。個人的には「マン・アイ・ラブ」の意表を突いたアップ・テンポさ、あとキース・ジャレットにはかなわないけれど、ムーディなバラードに仕立てた「星影のステラ」が良かったかな。
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