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AKIKO/ムード・スウィングス

2005年11月16日 16時47分06秒 | JAZZ
 ヴァーヴと契約したということで話題になった邦人ジャズ・ボーカリスト、Akikoの2003年の作品で、確か第5作くらいだったと思う。一応、ヴァーヴと契約したくらいだから真性な?ジャズ・ヴォーカルなんでしょうけど、日本ではスウィング・アウト・シスターがブロデュースしたり、ピチカート・ファイヴの小西が作品に関わったりと、どちらかというとクラブ・ミュージック的なところで受けている人というイメージが強いかもしれませんね。かくいう私もこのアルバムは、その線で入手してきたものです。

 で、このアルバムですが、私は彼女の他の作品を聴いたことがないので、よくわかりませんが、オーソドックスなジャズ・ヴォーカルのアルバムに比べると、確かにクラブっぽい音づくりです。打ち込みはそれほど沢山ある訳ではありませんが、50~60年代にヨーロッパ映画でよく使われたような、ジャズっぽいフレーズやリズム・パターンを記号化して多用して、全体ハウスっぽい音作りをしている点などは実にそれ的といえましょうか。ヴォーカルに関しては、夏頃とりあげたジェーン・モンハイトなんかと同じで、とにかくジャズ的なヴォキャブラリは、ひとまず全てマスターした上でデビュウしましたって感じで、彼女ほどテクニカルな巧さはないけれど、アーシーなセンスというかジャズ的雰囲気っていったら、Akikoの方が濃厚なくらいです。とにかく危なげない安定した歌いっぷりで、全体に過不足のない仕上がりなんですが、スタイルなムードみたいな中に彼女自身が埋もれてしまっているというか、ちょいと決め手に欠くというのが正直なところ。夜のドライブで流している分にはいいかもしれないけれど、自宅で酒なめながら聴くところまでいかない....などといったいい過ぎだけれど。
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