第2巻は「アイ・ラヴ・パリ」からスタート。この曲、この歌唱以外のヴァージョンを聴いたことがないので、これまであまり馴染みがなかったのだが、久しぶりに聴いてみたところ、実に「良い曲」であることを再認識してしまった。なにしろ小振りなヴァースがチャーミングだし、そこからプイと転調してややほの暗い感じでテーマが歌われ、繰り返しの中、次第に霧が晴れるように明るさが増していくあたりの曲の移ろい方がいいし、その微妙な色合いのようなものを彼女はきっちり表現していて、まさに職人的なうまさを感じさせる。あと、-これはアレンジによるところが大きいが-それを受けてオーケストラが間奏よろしくテーマを敷衍していく、映画音楽的にスケールの大きな展開も素敵だ....などと、今夜もこんな感じで気がついた曲を拾っていこう。
「イージー・トゥ・ラヴ」というと、最近だとロベルタ・ガンバリーニの本邦デビュー作のタイトルにもなっていたけれど、エラ・フィッツジェラルドのヴァージョンを聴くとロベルタのそれは基本的にエラの解釈を踏襲していたのがとてもよくわかった。「イッツ・オール・ライト・ウィズ・ミー」は彼女の黄金時代のライブ盤のオープニング・ナンバーとしてよく登場するお馴染みの曲だけれど、ここではビッグ・バンドをバックにしたスタイルで、ライブ盤の豪快なノリとはちょっと違った軽いキャバレー風な歌唱が楽しい。「恋とは何でしょう」はこれはいろいろなヴァージョンがある名曲で、ここでのエラは小粋に歌っているけれど、個人的には「チャリー・パーカー・ウィズ・ストリングス」にはいってるきらびやかで歌いまくったライブ・ヴァージョンが好きだったりする。初期のキング・コールがピアノ・トリオでやったインスト盤なんかも記憶にある。
「ラブ・フォー・セイル」はなんだかパラマウント映画をみているような都会調なイントロから、ややアーシーに歌い込む老練さがいいね。「ソー・イン・ラブ」は日曜洋画劇場からはじまり、あまりにインスト・ヴァージョンを聴きすぎたせいで、ボーカル入りはかえって違和感があったりする。「あなたはしっかり私のもの」も有名な曲だが、ここでは「恋とは何でしょう」と同様小粋に歌っている。 「夜も昼も」は個人的にはリンゴ・スターの「センチメンタル・ジャーニー」という異色のアルバムで知った曲だが、これについてはいわずもがなの曲だろう。という訳で久々に聴いたこのコール・ポーター集、実にいい。若い頃はロジャース&ハートの方が馴染みやすく、コール・ポーターの方はやや硬質で苦いところを感じないでもなかったが、そのあたりがかえって心地よく感じられるのは自分が年をとったせいだろうか?。
ちなみに頭に書いた、「アイ・ラヴ・パリ」だが、「おっ、いいぞ、この曲お気に入りになりそう....この曲!」などと思って、いましがたiTunesの検索機能で「I Love Paris」を探したところ、彼女の他に2つのヴァージョンを発見した。ひとつはもちろん先日聴いた、ビル・チャーラップ率いるニューヨーク・トリオが「ビギン・ザ・ビギン」でやっていもの。もうひとつはその存在すら気がついていなかったが、半年くらい前にiTunesShopで購入した「The History of Blue Note - 70th Anniversary」に入っていた、ジャッキー・テラソンという90年代にデビューしたピアニストによるトリオ演奏だ。前者は意表をついてブルージーな曲に仕立て上げているし、後者は思いきりトリッキーでモダンなピアノ・トリオ作品にしていて、いずれも「現代」を感じさせてくれた。それにしても、こういうときのiTunesは本当に便利である
「イージー・トゥ・ラヴ」というと、最近だとロベルタ・ガンバリーニの本邦デビュー作のタイトルにもなっていたけれど、エラ・フィッツジェラルドのヴァージョンを聴くとロベルタのそれは基本的にエラの解釈を踏襲していたのがとてもよくわかった。「イッツ・オール・ライト・ウィズ・ミー」は彼女の黄金時代のライブ盤のオープニング・ナンバーとしてよく登場するお馴染みの曲だけれど、ここではビッグ・バンドをバックにしたスタイルで、ライブ盤の豪快なノリとはちょっと違った軽いキャバレー風な歌唱が楽しい。「恋とは何でしょう」はこれはいろいろなヴァージョンがある名曲で、ここでのエラは小粋に歌っているけれど、個人的には「チャリー・パーカー・ウィズ・ストリングス」にはいってるきらびやかで歌いまくったライブ・ヴァージョンが好きだったりする。初期のキング・コールがピアノ・トリオでやったインスト盤なんかも記憶にある。
「ラブ・フォー・セイル」はなんだかパラマウント映画をみているような都会調なイントロから、ややアーシーに歌い込む老練さがいいね。「ソー・イン・ラブ」は日曜洋画劇場からはじまり、あまりにインスト・ヴァージョンを聴きすぎたせいで、ボーカル入りはかえって違和感があったりする。「あなたはしっかり私のもの」も有名な曲だが、ここでは「恋とは何でしょう」と同様小粋に歌っている。 「夜も昼も」は個人的にはリンゴ・スターの「センチメンタル・ジャーニー」という異色のアルバムで知った曲だが、これについてはいわずもがなの曲だろう。という訳で久々に聴いたこのコール・ポーター集、実にいい。若い頃はロジャース&ハートの方が馴染みやすく、コール・ポーターの方はやや硬質で苦いところを感じないでもなかったが、そのあたりがかえって心地よく感じられるのは自分が年をとったせいだろうか?。
ちなみに頭に書いた、「アイ・ラヴ・パリ」だが、「おっ、いいぞ、この曲お気に入りになりそう....この曲!」などと思って、いましがたiTunesの検索機能で「I Love Paris」を探したところ、彼女の他に2つのヴァージョンを発見した。ひとつはもちろん先日聴いた、ビル・チャーラップ率いるニューヨーク・トリオが「ビギン・ザ・ビギン」でやっていもの。もうひとつはその存在すら気がついていなかったが、半年くらい前にiTunesShopで購入した「The History of Blue Note - 70th Anniversary」に入っていた、ジャッキー・テラソンという90年代にデビューしたピアニストによるトリオ演奏だ。前者は意表をついてブルージーな曲に仕立て上げているし、後者は思いきりトリッキーでモダンなピアノ・トリオ作品にしていて、いずれも「現代」を感じさせてくれた。それにしても、こういうときのiTunesは本当に便利である
なんと、そのまま音楽が聴けちゃう!
ジャケットはついてる、歌詞も設定できる。
子どもの頃には想像も出来なかった夢の機械ですよね。
ライブラリーの拡張はオレも2,000枚を目前に最近はすっかりさぼり気味ですが、スタンダードの聞き比べには最強のツールのような気がします。
20年後は想像もつきませんが(笑)…
> iTunes & iPodというのは革命的な発明でした。
昔は自分でジャズのスタンダード・ナンバーのデータベース作ったりしましたけど、おきまりの頓挫(笑)、気がついてみたら超高性能なミュージック・データ・ベースがそこにあったみたいなとこあります。もっともiTunesライブラリも1,5oo枚くらいまでいったところで最近はさぼり気味ですが、思えばジャズの方はそう沢山のアルバム取り込んでいないので、こっちも充実させようかな....などとちらほら
ジャズのスタンダードを探す時はホントに重宝します。
あと、自分の日記でこの前書いた、Indian Summerという文字を含んだ曲を探したりとか。
とりあえず、取り込むだけでデータ・ベース化できるんだからそういった意味でも、iTunes & iPodというのは革命的な発明でした。