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ボストン・ポップス・オン・クリスマス

2007年12月24日 02時47分07秒 | クラシック(20世紀~)
 ライトクラシック系のクリスマス・アルバムはいうまでも沢山あるけれど、ジョン・ウィリアムス指揮ボストン・ポップスによるこのアルバムは、さしずめここ四半世紀のこの手のアルバムの決定版といえるのではないか。フィードラーやマントバーニといったところを聴くとちと古くさく感じるが、かといってフュージョン・スタイルやニュー・エイジといった今時なスタイルよりは、もう少しスクウェアな気分でクリスマス・ミュージックを味わいたい向きには格好のアルバムといえる。収録曲は単独曲が4つ、そして、中心をなすのは3つの-どれも10分前後-の大規模なクリスマス組曲となる。いずれも素晴らしい出来だが、とりわけ3つの組曲が素晴らしい出来だ。

 この3つの組曲だが、最初の「クリスマス・フェスティバル」は有名どころのクリスマス・ソングをボストン・ポップスというオケが演奏する魅力を満喫させる9曲。次の「クリスマス・グレーティング」はタングルウッド祝祭合唱団をフィーチャーしたアルバート・アート作曲のクリスマス・キャロルが6曲、そして3曲目の「ホリディ・チアー」はアメリカで生まれたクリスマス・スタンダードをジャズ・オーケストラ風に演奏した7曲....という具合に特徴をはっきりを描き分けているのがいい。まず「クリスマス・フェスティバル」では、超有名なクリスマス曲をまるでひとつの曲の如く流麗なアレンジでまとめで上げているのが聴き物だ。前半は3曲ではアップテンポで軽快に進み、徐々にテンポを落とし、後半の「牧人ひつじを」~「きよしこの夜」でぐっとテンポを落としてじっくりと歌い上げるあたりがハイライトだ。こういう曲順、構成で聴くと耳タコな「きよしこの夜」もぐっと感動的に聴こえる、さすがルロイ・アンダーソンの編曲というべきか。また、締めくくりは再び華やかさがもどり「ジングルベル」~「神のみ今宵しも」では「スターウォーズ」ばりの賑々しさで盛り上げるあたりジョン・ウィリアムスらしくていい。

 「クリスマス・グレーティング」は前述の通りアルバート・アート作曲のクリスマス・キャロルが6曲演奏されているが、私は寡聞にして「アルバート・アートって誰?」って感じなのだが、曲そのものはどれもお馴染みのものだ。タングルウッド祝祭合唱団をフィーチャーしているが、かなりリズミックに歌っており、合唱団主体とはいえかなりモダンな印象なのは、やはりジョン・ウィリアムスのセンスなのだろうか、最後まで一気に聴き通せる構成もいい。「ホリディ・チアー」は名匠ビリー・メイのアレンジ、メドレーとはいえ、私の好きな「ザ・クリスマス・ソング」と「ハブ・ユアセルフ・ア・メリー・リトル・クリスマス」がそれぞれ前半と中盤のハイライトになっているのはうれしい限り。中盤ではオケもけっこうスウィングしていて楽しい。
 単独曲としては、オープニング「ウイ・ウィッシュ・ユー・ア・メリー・クリスマス」の華やかさ、とてもアイヴズとは思えない「クリスマス・キャロル」の敬虔さもいい。そんな訳で、このアルバム、個人的にはクリスマスのマスト・アイテムである。

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