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サラ・ヴォーン・アット・ミスター・ケリーズ+11

2007年02月23日 00時55分58秒 | JAZZ
 サラ・ヴォーンといえば、丁度去年のいま頃スタジオ録音の傑作「イン・ザ・ランド・オブ・ハイ・ファイ」を取り上げましたけど、これはそれと同時期に出たライブ盤です。個人的にはいろいろな意味で完備した「イン・ザ・ランド・オブ・ハイ・ファイ」の仕上がりが好きなのですが、おそらく、一般的にはこちらの方が有名なんでしょうね。なにしろ、タイトル通りシカゴにあるらしいミスター・ケリーズでのライブ・パフォーマンスということ自体にまず価値がありますし、若き日のサラ・ヴォーンも絶好調ということで、おそらく「ライブの大傑作」という価値は揺るぎないものがあるんだと思います。

 内容としては、シンプルなピアノ・トリオをバックに、有名なスタンダード・ナンバーばかりを歌っていますが、有名なクラブでのライブ・パフォーマンスということで、ミディアム・テンポの作品ばかりを歌い、適度なリラクゼーションとボーカルの即興味、そしてアフターアワーズ的なムードが横溢した、いかにもジャズ、これがジャズだ....という感じの仕上がりです。ジャズというと、インタープレイだと、超絶技巧のソロだとか、いわゆる音楽主義的な側面を追求したものもいいですが、こういう酒のお供に...的なものもジャズのひとつの保守本流な訳で、このアルバムなどまさにそういう方面での最右翼作品といえます。「ウィロウ・ウィープ・フォー・ミー」で、マイクを蹴飛ばしドカンと雑音が入った後、なにくよぬ顔で歌詞を変えてその場をやりすごす有名な場面での雰囲気など、ある意味最高にジャズ的瞬間といえるかもしれません。

 ただ、文句をつけるとすると音質というか、バランスですね。ボーカルがオンに収録されているいいとしても、いささかドラムのレベルが低いというか、輪郭がくっきり収録されておらずボヤケ気味で、全体としてはAM放送的なバランスなのが、タイコ大好きの私としてはいささか不満です。これでもう少しドラムの音がシャープに収録されていて、リズムをきっちり隈取ったような録音だったら、モノラルだろうとなんだろうと、ほとんど最高だったんですがねぃ。そうだ、今度、自分でもう少し、リズムがくっきりするようにリマスタリングしてやるか(笑)。

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