ウォーレン・バーンハートはフュージョンとオーソドックス4ビートの二股をかけるピアニストだ。最近はあまり聞かないが、確か80年代にニューヨーク系のフュージョン・シーンではトップに君臨するキーボード奏者のひとりとして、けっこうな作品に顔をだしていて、その後、90年代になるとビル・エヴァンス系のピアニストとして、オーソドックスなピアノ・トリオ作品を出しはじめるようになっていったように思う。確か93年のスティーリー・ダンの日本公演ではキーボードを弾いていたはずだ。このアルバムは89年にアメリカのハイファイ・レーベルDMPから発表されたピアノ・トリオ作品で(DMPでは3作目になるらしい)、夏が来ると良く聴きたくなる作品だ。何故に夏になると聴きたくなるかといえば、別段このアルバムが全面的にボサノバをやっている訳でも、サマー・フュージョンのピアノ・トリオ版的な音楽をやっているからでもなく、アルバムの2曲目「Bodas de Sangue」が何故かとても夏向きの作品で、個人的に大好きな曲だからである。
先ほどこのアルバムについて、ピアノ・トリオ作品と書いたけれど、この「Bodas de Sangue」は実はピアノ・トリオではなく、ギターとパーカスを加えた5人編成で収録されている。曲はさざ波のようなモチーフをピアノとアコギのユニゾンで奏で、それを繰り返しつつ、しっとりした情感を漂わせたスローなサンバに発展していくというものだ。トロピカルな中に妙に静謐で厳かなムードを湛えたテーマは素晴らしいし、ギター~ピアノと進むソロのスウィング感も気持ち良く、なにやら、賑わっていた夏の海岸が夕暮れを向かえて人がまばらになっていくような夏の定番ともいえる光景を思い出させるのもいい。個人的には至福の7分間ともいえる曲なのである。
ちなみにこのアルバム、この曲の他にもギターとパーカスを加えた夏向きな「Pali Lookout 」という曲が入っているのだけれど、こちらも悪くはないものの、ちょっとギターのデミーコの色が強すぎでまるでドルフィンズみたい音楽になってしまっていて、まぁ、それなり、とても「Bodas de Sangue」のようなぐっと引きつけるようなものはないのが残念である。
あと、ピアノ・トリオによる作品は、基本的には極めてオーソドックスな4ビート・スタイルだが、フュージョン出身なだけあって、全編に渡ってスポーティーな感覚があり、良い意味で現代性を感じさせて、とても聴きやすく、しかも勘所をおさえた充実した演奏となっている。1曲目の「Love Walked In」や9曲目「Ni en Broma?」などなど快調そのものだし、アースキンのドラム相変わらず良い。ただし、良く言われるようにこの音楽がビル・エヴァンス的かといわれると、ビル・エヴァンスの曲なども沢山やっているものの、個人的にはどうも違う気がする。ビル・エヴァンス的というには耽美より、スポーティーな明るさというものが、この人の場合強すぎるような気がするからだ。ともあれ、このアルバムを通して聴くのは実に久しぶりだが、2曲目はもちろん、意外にもアルバム全体を楽しくきけたので、Walkmanにでもいれてみようかと思っているところである。
先ほどこのアルバムについて、ピアノ・トリオ作品と書いたけれど、この「Bodas de Sangue」は実はピアノ・トリオではなく、ギターとパーカスを加えた5人編成で収録されている。曲はさざ波のようなモチーフをピアノとアコギのユニゾンで奏で、それを繰り返しつつ、しっとりした情感を漂わせたスローなサンバに発展していくというものだ。トロピカルな中に妙に静謐で厳かなムードを湛えたテーマは素晴らしいし、ギター~ピアノと進むソロのスウィング感も気持ち良く、なにやら、賑わっていた夏の海岸が夕暮れを向かえて人がまばらになっていくような夏の定番ともいえる光景を思い出させるのもいい。個人的には至福の7分間ともいえる曲なのである。
ちなみにこのアルバム、この曲の他にもギターとパーカスを加えた夏向きな「Pali Lookout 」という曲が入っているのだけれど、こちらも悪くはないものの、ちょっとギターのデミーコの色が強すぎでまるでドルフィンズみたい音楽になってしまっていて、まぁ、それなり、とても「Bodas de Sangue」のようなぐっと引きつけるようなものはないのが残念である。
あと、ピアノ・トリオによる作品は、基本的には極めてオーソドックスな4ビート・スタイルだが、フュージョン出身なだけあって、全編に渡ってスポーティーな感覚があり、良い意味で現代性を感じさせて、とても聴きやすく、しかも勘所をおさえた充実した演奏となっている。1曲目の「Love Walked In」や9曲目「Ni en Broma?」などなど快調そのものだし、アースキンのドラム相変わらず良い。ただし、良く言われるようにこの音楽がビル・エヴァンス的かといわれると、ビル・エヴァンスの曲なども沢山やっているものの、個人的にはどうも違う気がする。ビル・エヴァンス的というには耽美より、スポーティーな明るさというものが、この人の場合強すぎるような気がするからだ。ともあれ、このアルバムを通して聴くのは実に久しぶりだが、2曲目はもちろん、意外にもアルバム全体を楽しくきけたので、Walkmanにでもいれてみようかと思っているところである。
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