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音楽全般について 素人臭い能書きを垂れてます
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江(カンフイ)/甲尓攬牢牢

2008年12月18日 23時55分42秒 | 台湾のあれこれ
 今回の訪台で購入してきたCDの一枚。なにしろ台湾ポップに関しては知識が疎いが故に、お気に入りのアーティスト以外、私の場合、たいていはジャケ買いしてくるのが常なのだが、これもそうした一枚である(今回は量的には例年ほどではなく、全部で数枚くらいしか購入していないが)。ちょっと演歌のカラオケの画面のラストみたいな中年向きなロマンティシズム全開のジャケだが(笑)、昔でいうシングル盤サイズ、シルバーでコーティングされたジャケがショップで、やけに光り輝いていて豪華だったので、思わず購入してきてしまった。

 さてこのアルバムだが、内容はジャケのイメージ通り台湾ポップスというよりは、台湾歌謡もしくは台湾演歌である(ちなみに江は台湾語演歌の女王的な人らしい)。私は音楽と名の付く物ならたいていなんでもいけるクチだが、演歌と四畳半フォーク的なジトジトした感覚だけはどーしても受け付けないところがあって、自宅の膨大なCDコレクションにも、この種のジャンルはほとんどなかったりする。ところが、これは自分でも不思議なのだが、台湾の演歌というのはけっこう聴けたりするのだ。何故かと考えてみるに、単に日本の演歌に対する悪い先入観だけのような気もしないでもないのだが、やはり台湾演歌といのは陰々滅々とした「恨み節」がなく、あっけらかんとしたおおらかさと郷愁のようなものがメインになっているからではないかと思ったりもしている。

 このアルバムも全くそうで、全体としてはド演歌というよりモダン演歌という感じだし、当然演歌的なアレンジという誤報が随所に顔をだし、そういう部分は妙に引っかかったりもするのだが、全体としてはごくご自然に楽しめる。なにしろボーカルが圧倒的に良い。高勝美もそうだったけれど、女性ボーカルが台湾語で歌う流れるような語感がまずは心地よいし、この人の場合、まさに音楽的としかいいようがない、緩急自在でクリアな質感のボーカルが素晴らしく。思わずうっとりさせられるしまうのだ。最近の台湾ポップスは、エイベックス化が激しく、往年のバラード大国らしさが急速に薄れているようにも感じられるので、むしろこういう音楽にこそ台湾らしさを感じさせて、台湾ファンの私としては、妙にうれしくなってしまったりするのであった。

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