Blogout

音楽全般について 素人臭い能書きを垂れてます
プログレに特化した別館とツイートの転載もはじました

台湾懷舊電影 「再見台北」

2010年01月24日 23時01分33秒 | MOVIE
 これも近くの光南大批發で購入してきたDVDである。これも購入後ホテルでちょい見くらいのノリで観始めたところ、結局最後まで観てしまった。主演の文夏は50~60年代に日本の流行歌を台湾語でカバーしてスターになった歌手で、その後、映画界へデビューしたという人らしいから、当時は大スターだったのだろう。この作品はその映画の10作目に当たるのか、これまでの10本が映画の冒頭で文夏によって回顧されると、そのショットからいきなりロードムービー風な物語が始まってしまう、恐るべき開幕である(笑)。当時の文夏の映画では、小王という子役と文夏四姉妹という4人組の音楽バンド(?)がよく共演していたらしく、ここでも登場している。

 物語は台北にやってきた文夏と小王が、老い先短い大金持ちが行方知れずになっている孫だかを賞金目当てに探すというのがメイン・ストーリーである。これに同じ目的の悪党が絡んで、けっこうドタバタ劇でもって話が進んでいく。途中、お目当ての60年代らしい台北の街の風景がけっこう出てきてそれだけで楽しい。高度成長期の前だけあって、当時の日本と同じく街はスカスカだが、屋台街みたいなムードは基本的にあんまり変わらないという感じがした。
 また、歌手の映画であるせいか、途中歌が沢山出てくるのはお約束なのだろう(文夏の歌は基本演歌風だが、文夏四姉妹のバンド演奏はグループサウンズ+演歌+中華みたいな感じで実にいい、ついでにいうとピンキーとキラーズの大ヒット曲「恋の季節」も歌ったりする)、昭和の歌謡映画みたいなノリも強い。ラストの大合唱はなぜだか、佐良直美の大ヒット曲「世界は二人のために」だったりするから、当時の台湾で日本の歌謡曲がどんな風に受容されていたか、その状況が良くわかろうものである。

 主演の文夏は俳優としては、完全に子役の小王に喰われている感じ、共演の文夏四姉妹はちと意味不明な感じもあるが、いかにも60年代のモダンな可愛らしさがあった。行方知れずになっている孫娘の役をした2人の女優さんは、いかにも南国風なエキゾチックな美人、文夏四姉妹と併せて、この女優さんたちの孫世代が今の台北市街にさっそう闊歩しているギャルたちかと思うと、微笑ましくなったりもした(笑)。
 音楽はベンチャーズ風、ジャズ・ロック風、カリプソ風なエレキサウンドが主体で、ここでも既成曲が沢山出てくる。「ヘイジュード」は劇中曲だが、ラストの追跡シーンはベンチャーズ・メドレーである。「ヘイジュード」が出てくるということは、68年以降作品だろうが、その時期にベンチャーズもないだろう....と考えしまうのは、あまりに今の視点過ぎるだろうか。

 ちなみに本年の台湾ツアーも本日で終了。さすがに歳なせいか、あちこち歩き回るのがつらくなってきて、なんか昨日と今日は近場でDVDばかり購入していた(CDは一枚しか購入していない)。おかげで懐古的台湾映画をストックできたので、こちらは自宅に帰ってからゆっくりと観てみたい。という訳で、「再見(また会いましょう)台北」である。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする