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ハイドン 交響曲第25番「田舎紳士」/フィッシャー&AHハイドンPO

2007年09月30日 20時34分40秒 | ハイドン
 この曲の第2楽章を聴いてなんとなく思い出したのが、6月に観たヒッチコックの「農夫の妻」という作品。この作品あの時も書きましたけれど、妻に先立たれた農夫が、近隣にいる未亡人達に次々に求婚するものの、次々に断られてしまうというがプロセスがストーリーの大半を占めておりまして、ジェームスン・トーマス扮するやもめの旦那が、それなりに着飾り紳士を気取って、美しいイングランドの田園風景の中、未亡人をモノにしようと闊歩していく様が妙におかしい作品でしたけれど、この第2楽章を聴いたら、なんだかそれを思い出さずにいられませんでした。

 ちなみにこの交響曲の第2楽章はメヌエットで、いつもながらハイドンらしい牧歌的、田園的なメヌエットなのですが、主部ではヴァイオリンが会話風に登場したり、トリオではホルンや木管がソロでやはり会話風に出たりして、なんだかあの映画の本人はカッコつけてカッコ良いつもりなんだけど、やはりちょいとばかり田舎クサイところが隠しきれないとぼけた男爵っぽい髭の主人公が勇躍して、山道を馬で上っていくユーモラスな風景が(別にあの時の音楽と似ていた訳ではありませんが)、この楽章のユーモラスさと妙にシンクロしたんですね。そんな訳で、これにちなんでニックネームは「田舎紳士」としました。

 さて、この曲ですが全3楽章です。第2楽章がメヌエットだとすると、緩徐楽章がないことなりますが、それは第1楽章の冒頭に3分近くかなり長目の序奏部としてアダージョがついているので、おそらく緩徐楽章はいらないと思ったか、書くのが面倒になったのでしょう(笑)。第1楽章の主部はハ長調らしい快活て、勢いのよいアレグロ、第3楽章はそれ輪をかけて快速調なプレストですが、曲そのものは特段ユニークでもキャッチーでもなく、ごくごくいつものハイドンのペースで押し切っているという感じです。やはりこの曲の個性は第2楽章のイナタくユーモラスな雰囲気ってことになるんでしょう。
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