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デビッド・アーノルド/007 カジノ・ロワイヤル

2007年09月06日 23時00分26秒 | サウンドトラック
 これまでのシリーズとは思い切ってリニューアルした感のある007シリーズだが、音楽はこれまで通りデビッド・アーノルドが担当している。従来からのトーンを引き継いでいるのはキャスティングではジュディ・ディンチのM、そして音楽面でのアーノルドのみといったところだが、まぁ、このあたりはすべてリニューアルしないあたり、ぎりぎりのところでバランスをとったというところなんだろうか。まぁ、音楽面でいえば(最近の映画界のことはよくわからないけれど)、こと007シリーズの音楽に関して、デビッド・アーノルドがほぼ完全にジョン・バリーの後継に収まっていて、余人をもって代え難いというところもあるのだと思う。

さて、このサントラだが、これまでと趣向が違うのは、なんといっても主題歌の入っていないことだろう。なにしろ全25曲、全てデビッド・アーノルドによる音楽なのである。今回の主題歌は「リビング・デイライツ」でのa-ha以来、実に久々の男性ボーカル、歌うのはクリス・コーネルなのだが、何故だかこれが入っていないのだ。クリス・コーネルといえばオルテナーナティブ系の元サウンドガーデンのメンバーだったこともあり、このあたりはアーノルドの音楽嗜好とも一致していそうなので、意図的にアルバムからはずされた訳でもないだろうが、やはりアルバム序盤に歌が入っていないのは従来とは違ったイメージではある(個人的には今回の主題歌ちと冴えない印象があったので入っていなくても、なんてこもないが、主題歌を目当てにしている人はさぞやがっかくりくることだろう)。

 音楽的には、とにかく007のテーマがでてこない。暗示するようなところはあるのだが、あの懐かしいテーマがはっきりと現れるのは、「007が誕生した最後のシーン」の後のクロージング・タイトルの部分なので、作品のサンセプトは音楽の方も一貫しているという訳だ。まぁ、ある意味でアーノルドとしては本作こそはじめて007シリーズの音楽を自力で勝負したというところかもしれないが、12分にも及ぶマイアミでの飛行機爆破テロを阻止するシークエンスの音楽など、アブストラクトなオーケストラ・サウンドとテクノ風味の融合など、なかなかの聴き物になっている。とはいえ、「二度死ぬ」とか聴いたことがあるようなフレーズをつい使ってしまうのはご愛嬌だが....。 
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