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シューマン 交響曲全集/サヴァリッシュ&シュターツカペレ・ドレスデン

2007年09月22日 21時57分42秒 | クラシック(一般)
 サヴァリッシュとシュターツカペレ・ドレスデンによるシューマンの交響曲全集、今日はディスク2を聴いてみた。ディスク1はフィルアップに「序曲、スケルツォと終曲」を入れたせいで、2番が入らなかったのだろう、ディスク1に2番と比較的短い4番が入っいるので、こちらのディスクは2番と3番ということになる。いや、ひょっとすると作曲順というコンセプトで並べたら時間的にぴったりだったということなのかもしれないが....。演奏の方だが、ディスク1と同様、シンフォニックで大柄な構えではあるが、明晰さシャープさも不足しない素晴らしいパフォーマンスで、ドレスデンの重厚な音色をEMI流のナチュラルでプレーンな録音がよく捉えている。

 それにしても、このコンビの演奏を聴いていると、シューマンの音楽ってベートーベン、シューベルト、メンデルゾーンなどの伝統を背負った紛れもない正統派のドイツ音楽という感じがする。いやもちろん、他の演奏もそう感じる時は多々あったのだが、こちらはある意味でシューマンの個人様式のようものより、そうした氾ドイツ的な音楽言語というか、最大公約数的イメージでもって、押し切ったという演奏という感じがするのである。
 その意味で第2番は典型的な様相を呈していると思う。第1,4楽章はベートーベンさながら重厚な推進力、第2楽章は幻想的な面よりスケルツォという諧謔面を、第3楽章は教会音楽的なところよりは、交響曲の緩徐楽章としてのなだらか起伏を重視している感じなのだ。要するに交響曲としてのフォルムを最大限際だたせた演奏とでもいったらいいか。一方第3番も、この曲の交響詩的、音画的なところはあまり表に出さず、5楽章からなる堂々たる交響曲として演奏しているといった風情である。時にBGM的な演奏になりがちな第2楽章も実に格調高い演奏になっている。

 あと、ディスク1の方の曲だが、前述の「序曲、スケルツォと終曲」について、ちょっと書いておくと、作品58だがほぼ交響曲第1番と同時期に作曲されたらしい。全体は緩徐楽章抜きの交響曲といった感じだが、緩徐楽章を欠いているせいで、リズミカルな楽章が3つ続くことになるが、両端楽章は緩徐楽章的なところが時折出てくるので、全体としてはけっこうごつごつとした重量感ある交響的な組曲といった感じである。「序曲」は交響詩風なものものしい開始だが本編はウェーバーとか初期のベートーベンの序曲あたりを思わせる躍動感がある。「スケルツォ」はくるっくるっと回るようなリズムの主題が印象的で、このリズムはトリオにもエコーしている。「終曲」はベートーベン風に勇壮な「勝利の凱歌」的音楽で、シューマンでいうと交響曲の第2番の最終楽章をもうすこしドンパチ派手にしたような仕上がりといったところか。

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