フェリーさんの新作はまたまたカバー集。「またやんの?」とか思っていると、内容は「おっとー!」ってな感じの大スタンダード大会で(笑)、アレンジはギター、ベース、ピアノ、ドラムスのシンプルでスウィンギーな4ピース・バンドに、時折ノスタルジックな管だの弦が絡むというバッキングにのっかって、フェリーさんが気持ち良さそうに歌っている。こういう本格的にジャジーなスタイルというのは、確かに今までなかったパターンではあるんだけど、意外性に驚くというよりは「遂にやってしまいましたかぁ?」ととかいうそういう感じ。
あっ、ジャジーなバックといっても、今どきの「おしゃれなジャジーさ」というより、全体にもう少し古くさいというか、もはやアルカイックといってもいいくらいに、古色蒼然とした風情で、具体的には40年代後半~50年代前半くらいのナット・キング・コールあたりのスタイルで、きっとフェリーさんが少年の頃にこういう音楽を聴いて育ったんだろうな....と思わすに十分。ともあれ、こうした「自らの音楽的ルーツを執拗に遡る」みたいな試みは、最近流行になんでしょうね、きっと。
個人的には、アルバムに数曲こういうスタイルの曲があるのはけっこうだし、いいと思うだけど、全編こう攻められてもなぁ....ってのが正直なところかな。まぁ、一曲だけアシッドな密林風のサウンドがいかにもフェリーさんってな曲もあるんだけど、あとはおしなべて前述のジャジー・サウンドで、「コレ聴くならキング・コールとかエラ・フィッツジェラルドの方が....」とかついつい思っちゃう。
やはりフェリーさんは「アヴァロン」のスタイルでぶっちぎって欲しい(そういえば「ホロスコープ」はどんなったんじゃい?)。もしくは、それ以降のネタを繰り出してもらいたい、初期のスタイルに先祖返りするとか、大胆にテクノビート取り入れるとか、いろいろあると思うんだけどな。どうも恋愛の現役引退しちまって、特有の「切なさ」が追憶の中にしかない好々爺になってしまってるのが、まずいのかしれんなぁ....。とかいいつつ、けっこう愛聴しとるんですが、コレ、なはは。(1999年12月19日)
あっ、ジャジーなバックといっても、今どきの「おしゃれなジャジーさ」というより、全体にもう少し古くさいというか、もはやアルカイックといってもいいくらいに、古色蒼然とした風情で、具体的には40年代後半~50年代前半くらいのナット・キング・コールあたりのスタイルで、きっとフェリーさんが少年の頃にこういう音楽を聴いて育ったんだろうな....と思わすに十分。ともあれ、こうした「自らの音楽的ルーツを執拗に遡る」みたいな試みは、最近流行になんでしょうね、きっと。
個人的には、アルバムに数曲こういうスタイルの曲があるのはけっこうだし、いいと思うだけど、全編こう攻められてもなぁ....ってのが正直なところかな。まぁ、一曲だけアシッドな密林風のサウンドがいかにもフェリーさんってな曲もあるんだけど、あとはおしなべて前述のジャジー・サウンドで、「コレ聴くならキング・コールとかエラ・フィッツジェラルドの方が....」とかついつい思っちゃう。
やはりフェリーさんは「アヴァロン」のスタイルでぶっちぎって欲しい(そういえば「ホロスコープ」はどんなったんじゃい?)。もしくは、それ以降のネタを繰り出してもらいたい、初期のスタイルに先祖返りするとか、大胆にテクノビート取り入れるとか、いろいろあると思うんだけどな。どうも恋愛の現役引退しちまって、特有の「切なさ」が追憶の中にしかない好々爺になってしまってるのが、まずいのかしれんなぁ....。とかいいつつ、けっこう愛聴しとるんですが、コレ、なはは。(1999年12月19日)