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音楽全般について 素人臭い能書きを垂れてます
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ティエリー・ラングの世界

2005年09月01日 20時46分55秒 | JAZZ-Piano Trio
 ティエリー・ラングが96年に収録した作品。彼のトリオ作品としては第3作ということになると思います。注目すべきは、この作品ブルー・ノートというジャズでメジャーなレーベルでのデビュウ作になるということで、これまでの2作に比べると、ビル・エヴァンスの愛奏曲や大スタンダードを何曲かとりあげるなど、よりオーソドックスなジャズ色が強まっているのは、やはりメジャー・デビューということを意識した結果なんでしょうか。

 前作までのようなニューエイジ風にロマンティックなピアノをメインにし、ベースとドラムは淡く後塵を拝するようなスタイルの曲が後退させ、ピアノ・トリオのダイナミズムのようなものをフィーチャーさせた結果、ここに収録された演奏は、これまでの2作以上にキース・ジャレットのスタンダーズ・トリオの音楽に近づいているようにも思えます。アブストラクトなリズムを上で、アウト気味にピアノ・ソロを繰り出し、つなぎ目も曖昧にベース・ソロが続くあたりの展開はとってもかなり近いものを感じました。アップテンポで進む「イフ・アイ・シュッド・ルーズ・ユー」など前作の「星影のステラ」と同様、キース・ジャレットからインスパイアされて演奏していることはほぼ間違いないところでしょうが、このアップ・テンポぶりはこれまでのラングからするとちょいと異色かも。

 あと、印象に残った曲としては、冒頭の「イエロー・ストーリー」はいかにもラングらしい伸びやかな旋律とロマンティックなムードが横溢した作品ですし、ビル・エヴァンスの愛奏曲である「マイ・フーリッシュ・ハート」はラングにぴったりの素材で、ちょいと長目のイントロからさりげなくテーマに入っていくあたりのセンスが抜群。最後の2曲はスタンダーズの8ビート路線を踏襲したような感じですかね.....まぁ、なんでもかんでもキース・ジャレットに結びつけるのもなんなんですが(笑)。
コメント (1)
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