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リスト「巡礼の年」全集/ベルマン

2005年09月11日 14時06分51秒 | クラシック(一般)
 リストのピアノ曲というのはほとんど聴いたことがない。いや、聴いたことはあるし、CDも何枚かはもっているのだが、ピアノ・ソナタはともかくとして、超絶技巧練習曲だとか大練習曲集なんてところは、その晦渋なゲバゲバしさにいささか辟易してついていけないといったのが本音だったと思う。このCDは前日のそれと同様に中古盤で購入してきたものだが、これはけっこうすんなり聴けそう。有名な話だけど「巡礼の年」というピアノ曲は、リストが訪れた特定の国や場所、ある種の自然描写みたいなものを、割と自由に書いたピアノによる交響詩みたいなものなので、技巧というよりプログラム優先というかイメージ先行の曲だし、それぞれがあまり長くないのもいいのだろう。

 とりあえず今は「第1年‐スイス」を聴いているところなんだけど、曲としてはやっぱ有名な「オーベルマンの谷」が良かった。ほの暗いシューマン風な叙情が感じれらるテーマを繰り返し登場させに、中間部ではリスト的な豪快なピアノに発展するというとっても聴き応えある構成。ちなみに「ウィリアム・テルの聖堂」も似たようなパターン。リスト風に華麗なる技巧が満載なのは「嵐」、ショパン風な愛らしい小品が「牧歌」。瞑想的な「ノスタルジア」はある意味リストらしい曲で、こういう趣は晩年になると更に色濃くなってくるらしい。
 というワケで、けっこう楽しく聴けた。この調子なら第2年や第3年も楽しめそうだ。前述のとおりこの曲集の場合、タイトルが非常にイメージを喚起するようなものが多いので、このあたりをキーワードにリスナーが勝手に欧州的なイメージを膨らませるなんて聴き方も可能なのである。 


・巡礼の年:第1年「スイス」
 01.ウィリアム・テルの聖堂
 02.ワレンシュタットの湖で
 03.田園曲
 04.泉のほとりで
 05.嵐
 06.オーベルマンの谷
 07.牧歌
 08.ノスタルジア
 09.ジュネーヴの鐘

・巡礼の年:第2年「イタリア」
 01.婚礼
 02.物思いに沈む人
 03.サルヴァトール・ローザのカンツォネッタ
 04.ペトラルカのソネット第47番
 05.ペトラルカのソネット第104番
 06.ペトラルカのソネット第123番
 07.ダンテを読んで‐ソナタ風幻想曲

・巡礼の年:第3年
 01.アンジェラス!
 02.エステ荘の糸杉に‐哀歌1
 03.エステ荘の糸杉に‐哀歌2
 04.エステ荘の噴水
 05.もの皆涙あり
 06.葬送行進曲
 07.心を高めよ
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