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The Best of Peter Green`s FLEETWOOD MAC

2005年09月06日 22時31分06秒 | ROCK-POP
 60年代後半のロック・シーンでひとつのトレンドともなったブルース・ロック、その中心となったのはもちろんギタリストだが、通向きなところだと、アメリカのマイク・ブルームフィールド、イギリスだとピーター・グリーンあたりにとどめを指すのではないだろうか。このアルバムはピーター・グリーンが在籍していた最初のフリードウッド・マックのベスト盤である。レーベルはCBSだから、当然「英吉利の薔薇」と「聖なる鳥」を中心にした選曲だが、レーベルをリブリーズに移籍後、ブルース・ロックからいささか離れた音楽を展開した「ゼン・プレイ・オン」からも収録されているので、文字通りピーター・グリーンのフリードウッド・マックをこれ一枚で俯瞰することができる。

 アルバムは、当時けっこうなヒットしたらしいサイケな浮遊感一杯の楽園風なインスト・ナンバー「アルバトロス」からスタート。当時の彼らとしてはかなり異色というか、ほとんど冗談みたいなナンバーだったハズだが、このけだるいアシッド感は妙に人の琴線にふれるらしく、このベスト盤ではアルバムのおしまいにはアシッド・テクノ風にリミックスされた別ヴァージョンが収録されている。以降、サンタナのシングル・ヒットで有名になった「ブラック・マジック・ウーマン」、歴代フリードウッド・マック演奏されることになる「オー・ウェル」、ストリングスをフィーチャーしたポップなブルース・ロック「ニード・ユア・ラブ・ソー・バッド」などの有名どころをフィーチャーしつつ、いかにもこの時期の彼らしいブルース・ロック・ナンバーの数々を堪能させてくれる。それにしても、久しぶりに聴くビーター・グリーンのギターとヴォーカル、やっぱりいいねぇ。ブルージーなフレーズをベタベタさせずシャープかつクリアなトーンで弾くのはイギリスのギタリストの伝統だけれど、この人のギターはそんな中でも一番アーシーで黒いんじゃないんだろうか。これ以上濃くなってしまうぎりぎりのところで、ブルースでなくブルース・ロックしているあたり絶妙。

 ついでながら、スライド・ギターの名手、ジェレミー・スペンサーやマック第3のギタリスト、ダニー・カーワン、クリスティン・マクビーをフィーチャーした作品もも収められております。
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