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ハイドン交響曲第7番『昼』/フィッシャー&オーストリア・ハンガリー・ハイドンPO

2005年09月16日 20時22分56秒 | ハイドン
 第7番です。「昼」というニックネームがついてますが、これがどこから由来するのかよくわかりません。このニックネームによるものだそうですが、なんでもこれに続く8番と併せ、ビバルディの「四季」を意識した3部作とのことなんで、まぁ、ネーミングが先にあって、それらしい気分の曲をつくったたげかもしれませんが、ニックネームという暗示効果は大きくて、全編からそれとなしに午後らしい雰囲気が感じられるから不思議です。とはいえ、その論法でいくとハイドンの場合、「昼」に該当する交響曲はそれこそ何十曲にもなっちゃうでしょうけど(笑)。

 さて、この7番の内容ですが、6番と同じく全4楽章、演奏時間も約25分と堂々たる規模のものとなっています。前回のレビュウにコメントいただいたくれるぼさんによれば、この曲、実際には20曲目くらいになるようですから、規模やスケールという点でも5番あたりからかなり進歩していたんでしょうね。そのあたりを端的に表しているのが第1楽章の荘厳な序奏部で、ファンファーレ風な金管も鳴って、大曲のオープニングらしい風情がただよっています。6番の序奏は短かったですが、こちらは長さも十分。いかにも大交響曲って感じがします。ただし、続く本編はこれまた6番同様各種ソロ楽器が活躍する合奏協奏曲のような仕上がりで、各種ソロ楽器が華やいだ雰囲気の中ちょこまかと活躍するあたり、バロック音楽的な愉悦感のが強いのは、スポンサーの意向をくんでのことなのかもしれませんね。

 ちなみにこの曲で、私が一番印象に残ったのは第2楽章です。この楽章、短調のレチターティーヴォと長調のアダージョからなる変則的な緩徐楽章ですが、前者のレチターティーヴォがこの時期の音楽としては意外な程ロマン派的なムードを見せていて聴いていて、けっこうおやとか思いました。まぁ、レチターティーヴォなワケですから、ソロ・ヴァイオリンをオペラの独唱に見立て音楽ということで、まぁ、こういうのもありなんでしょうが。ちなみに後半は雰囲気が明るくなり、割と教会風なムードも交えて進行しますが、併せて約10分聴き応えのある楽章です。第3楽章は>コントラバスを大幅にフィーチャーしたユーモラスな協奏曲風。フィナーレの第4楽章は第1楽章の華やかなムードに戻って、木管楽器を表に出しつつ、全合奏との対比によってダイナミックに進むという感じですかね。後半、金管楽器が出てくるあたりの高揚感もひとつのハイライトとして、こりまた聴き応え充分であります。
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