フォープレイは、ご存知の通りボブ・ジェームス、リー・リトナー、ネーザン・イースト、ハービー・メイソンを擁したフュージョン界のスーパー・バンドだ。1991年のデビュウ以来、途中、リトナーがラリー・カールトンにスウィッチしたものの、もう10年プレイしているワケだ。この手のバンドとしてはかなり息の長い部類になるのではないだろうか。
さて、このアルバムは彼らをデビュウ作のDVD-A化したものである。オリジナルの2チャンネルも入っているが、注目なのは5+1チャンネル・ヴァージョン。豊富な残響を取り入れた広大な音場の中、左右に振られた各種パーカス類が両端に位置して、その間を各楽器がピンポイントのように配列されたオリジナルとはかなり趣きの異なった仕上がりとなっているのだ。もともとスカスカな音(とはいえその少ない音がどれももの凄い存在感があったワケだけど)が特徴だったフォープレイのサウンドが、このヴァージョンではますます拡散し、音が軽くなったような印象になっている。CDが典型的なハイファイ・フュージョン・サウンドだったとすると、こっちはスーバー・クリアなアンビエント・サウンドににじり寄ったようなサウンドといえるかもしれない。
あと、今回のリミックスで変わったのは、その驚異的なSN比の向上で、これがなかったら、本作のアンビエント・サウンド的なリミックスもおそらくは絵に描いた餅になっていたと思う。そのくらい音楽の狭間における静寂が意識できる音なのだ。もちろん、DVD-Aの器を大きく物を言っていることに違いない。アルバム冒頭、アコピとシンセのユニゾンに、かすかに絡むパーカスの微妙な色合いなど、まさに耳の悦楽である。(02/12/21)
さて、このアルバムは彼らをデビュウ作のDVD-A化したものである。オリジナルの2チャンネルも入っているが、注目なのは5+1チャンネル・ヴァージョン。豊富な残響を取り入れた広大な音場の中、左右に振られた各種パーカス類が両端に位置して、その間を各楽器がピンポイントのように配列されたオリジナルとはかなり趣きの異なった仕上がりとなっているのだ。もともとスカスカな音(とはいえその少ない音がどれももの凄い存在感があったワケだけど)が特徴だったフォープレイのサウンドが、このヴァージョンではますます拡散し、音が軽くなったような印象になっている。CDが典型的なハイファイ・フュージョン・サウンドだったとすると、こっちはスーバー・クリアなアンビエント・サウンドににじり寄ったようなサウンドといえるかもしれない。
あと、今回のリミックスで変わったのは、その驚異的なSN比の向上で、これがなかったら、本作のアンビエント・サウンド的なリミックスもおそらくは絵に描いた餅になっていたと思う。そのくらい音楽の狭間における静寂が意識できる音なのだ。もちろん、DVD-Aの器を大きく物を言っていることに違いない。アルバム冒頭、アコピとシンセのユニゾンに、かすかに絡むパーカスの微妙な色合いなど、まさに耳の悦楽である。(02/12/21)