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ハイドン交響曲第6番『朝』/フィッシャー&オーストリア・ハンガリー・ハイドンPO

2005年09月03日 21時29分37秒 | ハイドン
 しばらくお休みしていたハイドン交響曲全集のレビュウですが、サマー・ミュージックが一段落したところでもあり、そろそろ再開します....って、まだ33枚組の2枚目なんですが。今回は第6番「朝」です。このタイトルの由来は第1楽章冒頭の序奏部が日の出を表すからだとか、なるほど意味深なところといい、悠々迫らぬムードといいリヒャルト・シュトラウスの「ツァラトゥストラ」の祖先みたいな感じがしないでもありません(笑)。

 さて、この第1楽章ですが、序奏部分が日の出かどうかは別として、明らかにその後のハイドンの第1楽章の序奏部のスタイルの先鞭をつけたという感じがします。ゆったりと導入し徐々にスケール感を上げていくあたり後年の「ロンドン」を思わせるに充分、ただし、いかにも短い。もっとあれこれやってもよかったにと思ったりもしますが、これを作曲した時期はこれで充分だったのもかもしれませんね。主部はハイドンらしい軽快さと手練手管が縦横に発揮され、展開部の入念さはかなり充実していて素晴らしいの一語につきます。おまけに全体からは格調堅さのようなものまで感じられるのは、おそらくハイドンの進歩だったんでしょう。
 第2楽章では、厳かなムードが横溢した主題に、ソロ・ヴァイオリンをともなってちょっと宮廷風に進む長いち中間部においた三部形式。第3楽章はフルートをフィーチャーした両端に、トリオはコントラバスが活躍して、いずれも協奏曲のように聴こえたりするのが特徴ですかね。第4楽章も協奏曲的な趣が強いですが、こちらは協奏曲といっても合奏協奏曲という感じで、いくつかの楽器がソロをとりつつ、軽快に進行。

 という訳でこの交響曲第6番ですが、これまでの作品と比べるとより重厚で構築的、おまけに技巧もこっていて、とにかく充実してきたという印象です。とくに第1楽章の充実ぶりは目をみはるばかり、ただし、後半はほとんど協奏曲的な趣向になっているあたりおもしろいはおもしろいが、ちと過渡期を感じさせないもありません。
 なお、標題はもとから「朝」とついているので、今回は悩まずにすみました。それにしてもこれはハイドン自身の命名なんですかねぇ?。
コメント (4)
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