UGUG・GGIのかしこばか日記 

びわ湖畔を彷徨する独居性誇大妄想性イチャモン性前期高齢者の独白

メディアスクラムという横暴な怪物・・・

2015-10-30 01:48:03 | 日記

「メディアスクラム」というのはもともと、議会や重要な会合などが開催された際に、会場の外で直ちに開かれることが多い即席の記者会見の意味であるとされていますが、日本では、放送局、新聞、週刊誌など全国に情報を配信することが可能なメディアの報道関係者が取材対象の人物や対象地域に大挙して押しかけ、執拗につきまとい、必要以上の報道合戦を繰り広げることという意味で用いられています(以上はウィキペディアなどからの引用)。

 メディアスクラムという集団的な過熱取材はしばしば取材対象とされた人物に対して人権侵害とも言えるプレッシャーをもたらし、報道被害の原因となり、問題視されていますが、日本のマスコミ諸氏は自分たちがもたらす報道被害にはあまり関心がないようであります

 むかし、パリで留学生の日本人がオランダ人の女性を殺して食べてしまったという事件がありました。そのとき日本から大挙してマスコミ諸氏がパリに押しかけたので、あちらではこの日本のマスコミの異常な騒ぎぶりそのものがニュースになったりするということがありました、このときカフェにたむろする日本人の記者たちが何を注文しようかと迷っているのを見て、ボーイが冷やかして次のように言ったそうであります

「日本のムッシューのみなさん、何にいたしますか?フレッシュ(flesh)なんかもありますぜ、いかがです!」

フレッシュというのは人肉のことであります、まことにブラックなユーモアであり、GGIはいたく感心いたしました

 ついでながら申し上げておきますと、この事件の犯人であるサガワ君と言う青年、あちらの裁判では精神に異常あり、犯罪への責任能力がないとして、一時刑務所に収監されていたもの、最終的には釈放されて帰国しています・・・日本であればおそらく裁判所はこのような判断を下す勇気ないでありませう、そんなことをすれば、マスコミも市民も大騒ぎしてバッシングの大合唱ということになるのは間違いないからであります、というのがGGIの見解です

 話が脱線いたしましたが、今日の写真はメディアスクラムの典型とも言うべき光景の映像を「死刑弁護人」という映画のパンフレットから借用したものです、よろしければクリックしてご覧になり、とくとご覧くださいませ

 何十人もの記者諸氏が押し寄せて家の様子を塀越しにうかがっていますね、なかには脚立の一番上に立ってのぞき込もうとしている記者もいます

 この写真に写っている民家は、実は後に「和歌山毒カレー事件」の犯人として逮捕されることになる人物の自宅です、みなさんご存知かとかと思いますが、後に死刑が確定した林真須美被告の自宅です、この光景はまだ逮捕されていない時点での写真です、おわかりでしょうか、メディアスクラムの凄さを・・・

全国のマスコミ諸氏が、警察が逮捕する前から犯人であると決めつけて過熱取材を行っているのです

 和歌山毒カレー事件、GGIも当初、報道を通じて、林氏が犯人であると思いこんでいたのですが、現在、安田好弘弁護士をはじめとした弁護団が再審請求を行っており、どうやら雲行きが怪しくなってまいりました

 直接的証拠がないこの事件で、弁護団は以下のように反論しています。第一に殺人の動機がない(林死刑囚は以前に保険金詐欺などで大金を手に入れ裕福な暮らしをしている、カネにならないことをやるような人物ではない、というのが安田弁護士の弁)、第二に目撃証言の信ぴょう性が極めて怪しい、第三に、これが決定的な要因ですが、カレーに混入されたヒ素(亜ヒ酸)と林家の台所にあったとされるヒ素は別物であることが化学分析の結果明らかになった、と弁護団は主張しています。

 ヒ素が別物である、というのは分析化学が専門である京都大学の河合潤教授による分析結果によるものです。この件に関しては産経新聞が今年6月に報道していますので、関心をお持ちの方は以下のサイトをご覧ください

http://www.sankei.com/west/news/150607/wst1506070019-n1.html

 河合教授の話はGGIも、昨年あるいは一昨年であったでしょうか、龍谷大学で行われた刑事事件と科学捜査をテーマとしてシンポジウムで聞いたことがあります。そのとき同教授は「スプリングエイトという巨大な科学施設(大型放射光施設)で分析した結果、カレーに入っていたヒ素と林家にあったヒ素は同じであることが明らかになったと、検察側は胸を張っているが、ヒ素以外の微量成分(重元素)の組成も一致していないと、同一のものであるとは言えない。スプリングエイトはこれらの成分の分析には適していなから、検察側の主張が正しいとは言えない。微量成分の分析結果が異なるものあった場合は、毒殺に用いられたヒ素と林家にあったヒ素は別物、したがって、この事件は冤罪ということになる」と明言されていました。

 このシンポジウムでGGIは、しったかぶりで「和歌山のあのへんはミカン農家が多い地域、毒性が強いのでヒ素を農薬として使用することが禁止されるまでは、ヒ素を与えるとミカンが甘くなるので、どこでも農家にはヒ素があったのです、禁止された後も隠し持っていたり、別の名目で輸入されたヒ素を手に入れて、ミカンの栽培に用いる農家があったりして問題になったこともあるのです、ですから、あのあたり、ヒ素を持っている農家なんて珍しくなかったのです、だから林家にヒ素があったから彼女が犯人に違いない、というのはいささか乱暴な話ではないでせうか」などと発言いたしました

 そうしましたら、このシンポジウムに参加されていた安田弁護士が申されました。「その点が気になったので、警察に付近の農家に関する捜査・調査の記録を開示するよう求めたのですが、警察は拒否しました」

 もし林被告が犯人でなかったとしたら、今日の写真に見られる、林氏を逮捕前から犯人扱いしていた、あの猛烈なメディアスクラムはいったい何だったのでありませうか

 などとGGIが書きましても、日本の低レベル・マスコミ諸氏は何の反省もしないでありませう・・・

 グッドナイト・グッドラック!

 

 

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