UGUG・GGIのかしこばか日記 

びわ湖畔を彷徨する独居性誇大妄想性イチャモン性前期高齢者の独白

寒中の満月・・・

2016-01-25 02:20:43 | 日記

この冬一番の寒波到来とのこと、一昨日はそれほどでもなかったのですが、昨日はよく冷えました。

 しかしながら昨日は、GGIはまことに感心なことに身を切るような寒風のなかわが町内を一周、湖都の広報や市議会だよりなるものを配ってあるきました。GGIは今年度自治会の副会長さまであり、これはそのお役目の一つだからです

 配り終えてやれやれと我が八重葎庵に帰還しましたら、配り忘れていたところがあるのに気づいて、もう一回寒風吹きすさぶ街へ・・・

 久しぶりに、手袋をしていても手がかじかみ、「たき火」という昔の童謡を思い出してしました

さざんか、さざんか 咲いた道
たき火だ、たき火だ、落ち葉たき
あたろうか、あたろうよ
しもやけお手てがもうかゆい

 昨日はほんとうに寒い一日だったのですが、夜になりますと中空にお月さまが輝いておりました、寒中の満月です、青白く冷たい光を放っておりました

 寒い季節のお月様といいますと、GGIは柄にもなくある俳句を思い出してしまいます。高校の時にでも習ったのでありませうか。与謝蕪村さんの句です

月天心 貧しき町を 通りけり

このお月さまは仲秋の名月のこととされているようです。中空に浮かんだお月様が下界を眺めてお詠みなった句のような気がして、なんだか宇宙時代の俳句といってもよくスケールが大きいなあ、その下界でチッポケな人間が生きているのだ、なかにはこの夜更けにまるで意味のないブログを書いたりしているイキモノもいるんだ・・・と思うしだいであります

 そして寒中の月と申しますと、寒い冬の夜、月が輝いておりますと、夜空のかなたから声が聞こえてくるだけではなく、GGIは必ず、ある俳句を思い出してしまいます

 叫びたし 寒満月の 割れるほど

 「寒満月」というのは作者による造語です。寒中の満月と言う意味でありませう。この句を作ったのはある死刑囚。辞世の句です。

と、ここまで書いてきて、ああこの句のことはちょうど二年前のいまごろにもこの日記にかいたなあと思いだしてしまいました。どうも寄る年波が激しく押し寄せて、最近は同じ話を繰り返すようになったみたいであります。お許しください。以前の日記を読んでもいいよという御奇特なかたは以下のサイトをご覧くださいませ

http://blog.goo.ne.jp/ugugggi/d/20140123

 もうひとつ、お月さまの話・・・

「九月十五日、甲子(きのえね)、夜に入って名月蒼然。故郷(古京)寂として車馬の声を聞かず。歩縦容として六条院の辺に遊ぶ」

藤原定家さんの「明月記」の一節です。源平による戦乱のすえ、都は福原に遷都、京の街は荒れるに荒れ、今や車馬の姿もないというわけです『明月記』の有名な一節、「世上乱逆追討耳ニ満ツト雖モ、之ヲ注セズ。紅旗征戎吾ガ事二非ズ」、源平の争いことなんか、そんなことオレの知ったことか、人々が戦乱や地震や飢餓や大火でにげまどっていようが、そんなことオレの知ったことか、とうそぶく定家さん、オレの関心事はこのうえなく繊細にして優美なる和歌を詠むことにあるのだと言わんばかりに、夜中に荒れ果てた京の街を散歩して、お月様が蒼然としているなあ、などと感心しているのであります、

「そんなことオレの知ったことか」というのは作家の堀田善衛氏がその著著「方丈記私記」に記している解釈であります。堀田氏は、天皇家を中心としたお公家さんたちの、下々のことなどオレに知ったことかという伝統は連綿と明治時代まで、さらには太平洋戦争末期まで引きつがれていたとしています。

 今日の写真は八重葎庵の寒満月を撮ったものです。デジカメで夜景モードにすればもっときれいに写るのでしょうけれど、そのような面妖な操作はGGIにはできかねますのでどうでもいい写真になってしまいました。クリックしてご覧になるほどのものではございませぬ

グッドナイト・グッドラック!

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする